セキセイインコとは
セキセイインコはペットのインコの中でも最もポピュラーな鳥です。
丈夫で飼いやすく、人にもよくなれるので、鳥類の中では、いえ、全てのペットの中でもナンバーワンのペットと言えるかもしれません。
名前:セキセイインコ
和名:背黄青鸚哥
英名:budgerigar(バッジャリガー)
分類:インコ目インコ科セキセイインコ属
体長:18-23cm
寿命:7~8年
分布:オーストラリア
セキセイインコはインコ目インコ科セキセイインコ属の鳥で、インコ科には約330種類のインコがいますが、セキセイインコ属はセキセイインコの一種のみです。
野生のセキセイインコはオーストラリア大陸の乾燥した地域に広く分布しています。
IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストでは野生のセキセイインコの保全状況はLC(Least Concern:低懸念)で、野生でも多くのセキセイインコが空を飛び回っています。
セキセイインコの特徴(魅力)
- 種類が豊富
- 人の物まねができる
- 安くて長生き
種類が豊富
とてもたくさんの種類(品種)が存在します。品種と色の組み合わせで何百種類もあるようです。
お好みのカラーを選択できるのも大きな魅力ですね。
体色(カラー)の分布と模様、目の色などで見分けますが、一部は混在した特徴があり正確に見分けにくい個体も存在します。
物まねができる
セキセイインコは物まねが大得意!多くの人間の言葉や音を覚えることができます。
人間の言葉をしゃべるペットは鳥しかいません!
特にオスを一羽で飼うと最も覚えやすく、100種類以上の言葉をしゃべるようになります。
安くて長生き
お値段は品種によりますが、一般的には 3,000円~10,000円程度。よく普及しているオパーリン種では普通5,000円以下です。
それで寿命は犬猫より少しだけ短い7年~10年。
またエサ代もペットの中ではかなり安い部類です。
セキセイインコの種類
セキセイインコの種類で代表的なものをご紹介します。
並セキセイインコ(ノーマルセキセイインコ)
並セキセイインコ(ノーマルセキセイインコ)の特徴は後頭部から背中のさざ波模様。
代表的な色はグリーンで、これが本来の野生種に最も近い種類です。
そしてブルーはグリーンのものから黄色色素が抜けた種類でこちらも一般的です。
(↑)こちらの動画ではグリーンのノーマルセキセイインコと、ブルーのノーマルセキセイインコ、ブルーのオパーリンが登場しています。
ノーマル種についてさらに詳しく知りたければこちら↓の記事もご覧ください。
羊毛フェルト作品
ブルーのノーマルセキセイインコです。
羊毛フェルトでノーマルセキセイインコの頭から背中の模様を再現するのは、めちゃめちゃ大変です…
オパーリン(Opaline)
ノーマルに似ていますが、おなかと背中が同じ色で、頭から背中の上部~中央部分にかけての縞模様がほとんど存在せず、背中から翼にかけての縞模様が大柄でV字の形状になっています。
宝石の「オパール」のようにきれいに輝いた毛並みをしていることから、オパーリンという名前がつけられたそうです。
(↑)こちらの動画ではグリーンのオパーリンと、ブルーのオパーリン、そしてこの先でご紹介するルチノーの3羽が登場します。どの鳥もびっくりする美しさ!!
オパーリンについてさらに詳しく知りたい場合は、こちら↓の記事もご覧ください。
パイド(Pied)
パイドとは英語で「まだら模様」という意味です。背中や翼、おなかの色が斑(色抜け)になっているのが特徴です。
色抜けは基本的に頭の色と同じ色になります。
また、オパーリンとパイドが組み合わさった種類はオパーリンパイドとも呼ばれます。
(↑)こちらの動画では、ブルーパイドとグリーンパイドの2種類が登場。どちらもかわいいですね。おなかの模様に注目!
実はパイド種には大きく分けて「ドミナント・パイド」「レセッシブ・パイド」「ダッチ・パイド(クリアフライト)」の3種があります。
一般的なパイド種はドミナント・パイドです。ドミナント・パイドについてさらに詳しく知りたい場合は、こちら↓の記事もご覧ください。
また、ダッチ・パイド(クリアフライト)の詳細はこちら↓の記事をご覧ください。
ハルクイン(Harlequin)
ハルクインとは英語でパイドと同様に「まだら模様の」という意味です。Harlequin はハーレクインと読むのが一般的のようですが、なぜかインコではハルクインとなっています。
ハルクインはレセッシブパイド(劣性遺伝パイド)でありパイド種の一種です。
特徴は以下の3点です。
- 背中・羽が縞模様ではなく、不規則なまだら模様
- くりくりお目目(白部分がなく真っ黒)
- 頭から胸が同色で、おなかに色が入る
他にも目の横にさざ波模様が少し残っているのも特徴です。
なお、イエロー系、ホワイト系、クリーム系、四色系があるのですが、青や緑色がベースのものはハルクィンには存在しません。
(↑)こちらの動画はイエロー系のハルクイン種です。お目目クリクリでとてもかわいいですね。
ハルクインについてさらに詳しく知りたい場合は、こちら↓の記事もご覧ください。
レインボー
レインボーはオパーリンの一種で、ブルー系に頭部がイエローのものが一般的にレインボーと呼ばれます。
また全体的に黒い縞模様や斑点色が薄い個体はパステルカラーレインボーと呼ばれますが、実はレインボーはパステルカラーでないと正式なレインボーとは言えないようです。
正確にはレインボーと呼ばれる種類は以下の4つの遺伝が組み合わさったものです。これにより淡い色合いでありながらカラフルなレインボー種となります。
- ブルー
黄色の色素を除外する遺伝子。よって緑から黄色を除くので青くなります。 - オパーリン
黒色の模様を減少する遺伝子。詳しくはオパーリン種の詳細説明記事もご覧ください。 - イエローフェイス
顔・頭部が黄色になる遺伝子。正確にはイエローフェイス1、イエローフェイス2、ゴールデンフェイスの3種類があり、どの遺伝子でもレインボーになり得ます。 - クリアウイング
体色を薄める遺伝子。これにより約10%色が薄くなり、パステルカラーになります。
ブルーの遺伝子が黄色を除外するのに、イエローフェイス遺伝子がそれに勝って顔や羽の一部を黄色にするという不思議な組み合わせですね。
(↑)こちらの動画はレインボーですね。レインボーにもイエローフェイスの種類や、クリアウイングが無く色の濃いものなど個体によって様々な違いがあります。
アルビノ(Albino)
アルビノは他の生物でもみられる、メラニンの生合成に関わる遺伝情報の欠損により先天的にメラニンが欠乏した個体です。
よって、アルビノの特徴は全身が真っ白で目が赤い色をしています。
アルビノ種は他の生物と同様に目が弱いため、直射日光には当てないように注意が必要です。
なお、全身が真っ白で目が黒い種類もあり、これは「ホワイトブラックアイ」といいアルビノとは別種です。
(↑)こちらの動画はアルビノと次で紹介するルチノーのペアです。シンプルなカラーが好きな方におすすめ。
ルチノー(Lutino)
ルチノーもアルビノと同様にメラニンが欠乏して、イエローの色素だけが残った種類です。
よって、ルチノーの特徴は全身真っ黄色で目が赤い色をしています。
こちらもアルビノと同様に、直射日光には当てないように注意が必要です。
※参考動画はアルビノの紹介動画、オパーリンの紹介動画に一緒に登場していますのでご覧ください。
スパングル(Spangle)
スパングルの名前はどうやらあのキラキラ光るスパンコールから来ているっぽいです(定かではありません)
その特徴は羽の模様が縁取りのようなウロコ模様になっている点です。
スパングル因子によって発現し、顕性遺伝(優性遺伝)です。シングルファクターとダブルファクターがありますが、きれいなウロコ模様がでるのはシングルファクターです。
ダブルファクターではさらに羽の縁の色素が抜けるため、くっきりしたウロコ模様はみられません。
(↑)こちらの動画はレインボーのスパングルのセキセイインコ。羽がとても美しい模様です。
ウイング(Wing)
ウィングの特徴は背中や羽の模様が薄くなっていることです。
本来は黒い模様が、灰色や褐色またはグリーン系の鳥では黄色くなっているものをウィングと呼ぶようです。
グレーウィングは模様が灰色、シナモンウィングは模様が褐色です。
一般的には体色が青色系のウィングはホワイトウィング、緑色系のウィングはイエローウィングと呼ばれるようです。
こちらの動画はホワイトウィングのコバルト系色。なかなか特徴的なカラーです。
ファロー(fallow)
ファローの特徴は、本来は黒い模様が淡褐色で、赤い目をしていることです。
めずらしい種類で高価ですが、最近はペットショップでも見かけるようです。
(↑)こちらの動画はファローのペア。目が赤いのでファローと分かりますね。
その他の種類
他にも背中や羽の模様が黒ではなくベースの色と同じ色の「セルフ」、紫系の羽色の「ライラック(バイオレット・モーブ)」など、いろいろな種類・組み合わせがあります。
正確には遺伝子で分類されているようですが、正直なところ複雑すぎてついていけません(苦笑)。
また、羽の形が異なる梵天セキセイや、羽衣セキセイ、それから体のサイズが一回り大きいジャンボセキセイがいますが、これらはまた別の記事にしたいと思います。
最後に
セキセイインコの魅力が伝わったでしょうか?
新しくペットを迎えようとして、何のペットにするか迷っている方はぜひ、セキセイインコをご検討ください。
この記事が新たな家族としてセキセイインコを迎える際の参考になれば幸いです。
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