セキセイインコの種類(詳細編4)・パイド(ドミナント・パイド)

インコ・小鳥
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セキセイインコの種類:パイドについて

セキセイインコの種類について深堀するシリーズ、第4回目はパイド種です。

セキセイインコはたくさんの小鳥・インコファンの方々から愛されている鳥です。

セキセイインコの種類については既に別の記事でご紹介済みなのですが、その種類一つ一つについて、もう少し細かく調べてまとめており、今回はその第4回目です。

上の記事でご紹介しているように、セキセイインコには非常に多くの種類がいます。代表的なものは以下の通りです。

  • ノーマル(Normal)
  • オパーリン(Opaline)
  • パイド(Pied)
  • ハルクイン(Harlequin)
  • ルチノー(Lutino)
  • アルビノ(Albino)
  • レインボー(Rainbow)
  • スパングル(Spangle)
  • ウイング(Wing)
  • ファロー(fallow)
  • 羽衣セキセイ
  • 梵天セキセイ
  • ジャンボセキセイ

今回はパイド種についてです。この記事を読んで、セキセイインコのパイド種について知っていただけたらと思います。

まずパイドという名前についてですが、英語表記では「Pied」で「斑(まだら)」という意味です。セキセイインコのに限らず、さまざまなインコで体の一部分の色が抜けている品種のことをパイド種といいます。

前回の記事でご紹介したハルクインですが、これもパイド種に分類されています。パイド種には大きく分けて以下の3つの種類があるようです。

  • ドミナント・パイド(オーストラリアン・パイド)
  • ハルクイン(レセッシブ・パイド)
  • ダッチパイド(クリアフライト)

さすがセキセイインコの種類はいろいろありますね。

それでは今回はセキセイインコのパイド種(ドミナント・パイド)についてまとめていきます。本記事でのパイドに関しての以降の記載は「ドミナント・パイド」で統一していきます。

(ハルクイン、クリアフライトはこちら↓をどうぞ)

セキセイインコ:ドミナント・パイドの特徴(魅力)

セキセイインコのドミナント・パイド種の特徴・魅力は以下の通りです。

  • 胸の上部は色があり、中央か下部に色の抜けた部分がある
  • アイリスリングがあり、表情・感情がわかりやすい
  • 性差は鼻のろう膜でわかりやすい

胸の上部は色があり、中央か下部に色の抜けた部分がある

ドミナント・パイド種はハルクイン種(レセッシブ・パイド種)とは色の抜け方が逆のような感じになります。

ハルクインは胸の上部が顔と同じ色に色抜けしますが、ドミナント・パイドは胸の上部に原色(緑または青)の色が残り、腹部から下に色抜けがあります。

なお、大まかには下腹部と後頭部の色抜けが特徴ですが、細かい抜け方には個体差ががあります。
そしてその腹部の色抜けは帯状であることも多いです。

ドミナント・パイドは不完全顕性遺伝(優性遺伝)で、遺伝子を1つ持つシングルファクターと、遺伝子を2つ持つダブルファクターがあります。

不完全顕性遺伝とは遺伝子を1つ持つ場合と2つ持つ場合で発現度合に差がある遺伝です。2つのほうが1つより発現度合が大きくなります。

よって、ダブルファクターの場合はシングルファクターより色抜け部分が広く、腹部の色抜けも帯状ではなく下腹部まで全体が色抜けするケースが多いようです。


アイリスリングがあり、表情・感情がわかりやすい

アイリスリングとは白目の部分です。

インコにはアイリスリングがある種類とない種類があり、野生のセキセイインコはアイリスリングがある種類のインコなのですが、ドミナント・パイド種のセキセイインコにはアイリスリングがあります

ハルクイン種はアイリスリングが無いので、同じパイド種に分類されるハルクイン種とはアイリスリングが1つの見分け方になります。

アイリスリングがあると、表情豊かで感情が伝わりやすいです。驚いた時や興奮しているときは黒目部分が小さくなります。


性差は鼻のろう膜でわかりやすい

ドミナント・パイドはノーマルやオパーリンと同様に、オスの場合に「ろう膜」が青色になるので性別を見分けやすいです。

ここもレセッシブ・パイドであるハルクインとのっ見分け方の1つのポイントです。


セキセイインコのドミナント・パイド種のカラー

ではドミナント・パイド種の色(カラー)についてです。

ドミナント・パイド種もノーマル種のセキセイインコと同様に緑(ライトグリーン)青(スカイブルー)の2種類がベースになります。

「パイド」とは色抜け・色落ちのことですので、グリーン系は緑が色落ちして黄色の部分が多くなります。グリーンパイドとも呼ばれますが、イエローパイドと呼ばれることもあります。

ブルー系では青が色落ちして白色の部分が多くなります。ブルーパイドとも呼ばれます。

ちなみに、ハルクインではブルー系でイエローフェイスの遺伝を持っていると4色ハルクインと呼ばれますが、ドミナント・パイドではブルー系イエローフェイスでも4色パイドとは呼ばれません。これはドミナント・パイドが顕性遺伝(優性遺伝)であり、ハルクインより発現しやすいためと考えられます。

なおドミナント・パイドという遺伝子は、オパーリンの遺伝子とも組み合わさりますので、ドミナント・パイドのオパーリンも存在します。

セキセイインコ:グリーンパイド

原種色であるライトグリーンにドミナント・パイドが発現したものです。

胸の部分はグリーンで、お腹より下に黄色の帯状の色抜けがあります。

↑こちらがグリーンパイド。オパーリンだと思いますが、色抜けもかなり多いのでドミナント・パイドのダブルファクターでしょうか。もふもふされる姿がかわいいですね。


セキセイインコ:ブルーパイド

グリーンに対して潜性遺伝であるブルーの色のセキセイインコですが、ブルーのドミナント・パイドはブルーパイドと呼ばれています。

胸の部分はブルーで、下腹部に白い帯状の色抜けがあります。

↑こちらの動画はノーマル種のブルーにドミナント・パイドが入ったものです。ノーマルでは後頭部の色抜けもわかりやすいですね。

セキセイインコ:パイドの雛(子供)はパイド?

セキセイインコのペアリングで産卵した場合、親がドミナント・パイドのとき雛はどうなるのでしょうか。

どちらか一方、または両方がドミナント・パイドのセキセイインコのペアが産卵した場合、生まれてくる雛はどれくらいの確率でドミナント・パイドになるのかを調べてみます。

まず、ドミナント・パイドには遺伝子を1つだけ持つシングルファクターと2つ持つダブルファクターが存在します。その組み合わせによって、雛がどうなるのかも変わってきます。

両親のうち片方だけがドミナント・パイド(シングルファクター)の場合

両親のうち片方の親だけがドミナント・パイド(シングルファクター)でもう片方がドミナント・パイドではない場合は、子供(雛)はどのような確率でドミナント・パイドが生まれるのでしょうか。

先に答えを書きますと以下のようになります。

片方の親だけがドミナント・パイド(シングルファクター)の場合、雛は
ドミナント・パイド(シングルファクター):25%
・ドミナント・パイド以外:75%

これは父親と母親のどちらがドミナント・パイド(シングルファクター)でも同じです。

ドミナント・パイド常染色体不完全顕性遺伝(優性遺伝)です。したがって、ドミナント・パイドの遺伝子を1つだけ持つとシングルファクターとして発現します。

両親ともドミナント・パイド(シングルファクター)の場合

両親ともドミナント・パイド(シングルファクター)の場合は、子供がドミナント・パイドの確率はどうなるのでしょうか?

答えです。

両親ともドミナント・パイド(シングルファクター)の場合、雛は
以下のような確率で生まれます。
ドミナント・パイド(ダブルファクター)25%
ドミナント・パイド(シングルファクター)50%
・ドミナント・パイド以外:25%

このの組み合わせの場合、3パターンの結果があり得ます。

両親からドミナント・パイド遺伝子を1つずつの計2つ受け継いだ場合は、ダブルファクターとなります。

両親のうち片方だけがドミナント・パイド(ダブルファクター)の場合

次はダブルファクターです。

両親のうち片方の親だけがドミナント・パイド(ダブルファクター)でもう片方がドミナント・パイドではない場合は、子供(雛)はどのような確率でドミナント・パイドが生まれるのでしょうか。

片方の親だけがドミナント・パイド(ダブルファクター)の場合、雛は
ドミナント・パイド(シングルファクター):100%

このケースではドミナント・パイドの遺伝子が必ず1つ引き継がれることにより、シングルファクターの雛が生まれます。

両親がドミナント・パイドのダブルファクターとシングルファクターの場合

両親のうち片方の親がドミナント・パイド(ダブルファクター)でもう片方がドミナント・パイド(シングルファクター)の場合は、子供(雛)はどのような確率でドミナント・パイドが生まれるのでしょうか。

片方の親がドミナント・パイド(ダブルファクター)、
もう片方がドミナント・パイド(シングルファクター)の場合、雛は
ドミナント・パイド(ダブルファクター):50%
ドミナント・パイド(シングルファクター):50%

このケースではドミナント・パイドのダブルファクターとシングルファクターの雛が生まれ、その確率は五分五分です。

両親ともドミナント・パイド(ダブルファクター)の場合

両親ともドミナント・パイド(ダブルファクター)の場合はどうなるでしょうか。

両親ともドミナント・パイド(ダブルファクター)の場合、雛は
ドミナント・パイド(ダブルファクター):100%

このケースでは雛はドミナント・パイド遺伝子を両親から1つずつ受け継いで2つ持つので、必ずダブルファクターになります。

両親ともドミナント・パイド以外の場合

両親ともドミナント・パイドではない場合、子供がドミナント・パイドになることはあるのでしょうか?

両親ともドミナント・パイド以外の場合、雛は
ドミナント・パイド以外:100%

ドミナント・パイドは顕性遺伝(優性遺伝)ですので、両親ともドミナント・パイド以外の場合はドミナント・パイド遺伝子を両親は全く持っていません。

したがって、雛がドミナント・パイドになることはありません。

上記の確率は単純計算によるものですが、実際にこの確率で生まれるのかは不明です。

ドミナント・パイド種のセキセイインコ紹介

それでは、ドミナント・パイド種の動画をいくつかご紹介します。

↑こちらは健気なブルーパイドオパーリンのおこめちゃん。一生懸命アルビノのコにアタックしますが・・・

↑こちらはちょっと珍しいメス同士で発情してしまっている動画。上に乗っているのがグリーンパイドオパーリンのピッピちゃん。インコにも百合があるのか!?

↑こちらもアルビノのコにアタックするドミナント・パイドのチコちゃん。
なんとも悲しいオスの姿が・・・( ;∀;)

※ドミナント・パイドの動画募集します!

最後に

今回はセキセイインコの種類のうち、ドミナント・パイドをご紹介しました。

ドミナント・パイドは不完全顕性遺伝(優性遺伝)ですので、比較的よく見かける種類です。しかしセキセイインコはあまりにもいろんな種類の遺伝が混ざっていることが多いため、ドミナント・パイドと見分けるのは難しいかもしれません。

とくにダブルファクターになるとわかりにくい感じがしますね。

それではまた。

ご紹介している動画は、基本的になるべく種類の特徴がわかりやすい成鳥のもので、再生時間が短めなものを選択しています。

予告なく差し変わる可能性もありますのでご了承ください。
もし動画が削除されていたり視聴不能になっている場合は、ご連絡頂けると助かります。

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