コザクラインコとは
コザクラインコはペットのインコの中では、セキセイインコに続いてポピュラーなインコかもしれません。
オカメインコと2番手争いをしているような印象です。
とにかく外見がカラフルで目がクリクリでかわいらしく、動作も紙切りなど面白い特徴のあるインコです。
名前:コザクラインコ
和名:小桜鸚哥
英名:Peachfaced Lovebird(ピーチフェイスド ラブバード)
分類:オウム目インコ科ボタンインコ属
体長:15-17cm
寿命:7~15年
分布:アフリカ南西部(ナミビア共和国、アンゴラ)
IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストでは野生のコザクラインコの保全状況ははLC(Least Concern:低懸念)となっており、自然界でも元気に生息しているようです。
野生のコザクラインコ
(↑)こちらが野生のコザクラインコ。原産国ナミビアの映像のようです(なかなか見つからない)。
トゲだらけの木の上で、しっかり小枝を背中に差しこんでたくましく生活していますね(笑)
コザクラインコはアメリカのアリゾナ州でペットだったものが野生繁殖しています。
こちらではかなり環境が適しているようで(サボテンの巣穴を他の鳥が提供、水場やエサは人間のおかげで入手しやすい)、フェニックス地域ではかなり定住しているようです。
↓この動画で詳しく紹介されています。
コザクラインコの特徴(魅力)
- 種類が豊富
- べたなれになる
- 比較的安くて長生き
種類が豊富
コザクラインコもセキセイインコと同様にとてもたくさんの種類(品種)が存在します。
カラーバリエーションが非常に豊富でお好みのカラーを選択できるのも大きな魅力ですね。
ただし珍しいカラーほど価格が高いです。
べたなれになる
コザクラインコはラブバードと呼ばれるほど、愛情が深い種類の鳥です。
特に1羽飼いでは飼い主にべったり離れないほどなれるようにもなります。
当然、雛の時から挿し餌で愛情をこめて育ててあげた場合です。
べた馴れの個体は飼い主の手の中で眠ったりします。
比較的安くて長生き
お値段は品種によりますが、一般的には 8,000円~20,000円程度。ノーマルが最も安いですが、珍しい色変わりでは50,000円以上することもあります。
寿命は犬猫とあまり変わらない10年~15年。
セキセイインコよりは高価ですが、セキセイインコより平均的には数年長生きするようですので、寿命換算すれば大差はないかもしれません。
またエサ代もセキセイインコと同様にペットの中では安い部類です。
コザクラインコの注意点
コザクラインコを飼育する上での注意点も書いておきます。
- 鳴き声が大きい
- 噛む力が強い
- 紙切り
鳴き声が大きい
体格の割には非常に大きな鳴き声を出します。特に、「キキッ!キキキキキキッ!!」という感じで甲高い耳に刺さるような鳴き声を出します。
これが1羽ならまだそこまで大したことはないのですが、多数飼いするとなかなかすごいです。
わが家は最大で4羽同時に飼育していたのですが、みんなが一斉に騒ぎ始めるとすごい声でした。
受験生の勉強、夜勤での昼寝などは無理に近いレベルですし、集合住宅では苦情の恐れもありますので注意が必要です。
噛む力が強い
セキセイインコに比べると嘴が大きく、噛む力が強いです。
また馴れた個体でもテリトリー意識が非常に高い習性のインコなので、お気に入りの縄張りに手を入れるとガブッと来ることがあります。特にメスはこの傾向が非常に強いです。
本気で噛まれた場合、流血を覚悟しましょう。
また、放鳥時は柱やドアなどで木造の部分はボロボロに齧られる可能性が高いので、なんらかのガードが必要です。
そして電気コードやスマホの充電ケーブルなどを齧る場合もあり、その場合は感電の危険も伴いますので、できるだけ隠して、インコから目を離さないようにしましょう。
紙切り
コザクラインコは紙切りをして巣材にする習性があります。
嘴でとても器用に紙を5ミリ幅で10センチ位の長さに切って、背中の羽の間に差し込んでお気に入りの場所(主に巣にしようとする場所)へ運んでいきます。
この姿はとても可愛らしく、コザクラインコならでは面白い習性なのですが・・・
大事な用紙はかならず隠しておかないと、ちょっと目を離している隙に完全にシュレッダーにかけた状態にされてしまいます。
特に重要書類や紙幣は絶対に隠しておきましょう。
逆にシュレッダーを買う必要がなくなります。(笑)
コザクラインコの種類
コザクラインコの種類で代表的なものをご紹介します。
コザクラインコには大変多くの種類があります。そして、その識別はなかなか難しく、遺伝的にもいろいろな因子が絡み合っているようで、はっきりいって素人にはとてもついていけません。
ただ、間違いなく言えるのは、コザクラインコはどの種類でもかわいい!ということです。
おおまかにはグリーン系、イエロー系、ブルー系に分かれるようです。しかし正確にはグリーン系とブルー系の2種類しかいなくて、それらをイエローに上塗りする遺伝因子が存在する感じです。
はじめてコザクラインコを飼育しようと思っている方の場合、あまり細かい種類を気にせずに、まずはお好みの系統の色のものを選んでみればよいと思います。
ノーマル(Normal)
体が緑色で額から前胸にかけては赤色をしています。腰から背中にかけては青色です。
額の部分の色がくっきりと分かれるのがコザクラインコの特徴ですが、ノーマルでは赤と緑でしっかり分かれています。(後述しますが分かれていない種類もいます)
野生個体と同色で、最もお手頃な価格(10,000円前後)で販売されています。
羊毛フェルト作品
ノーマルコザクラインコのリースです。
背中は見えていませんが青っぽい色になっています。
ダークグリーン
ダークグリーンはノーマルコザクラインコにダーク因子(ダークファクター)が1つ入ったものです。
ノーマルより羽の色が暗くて濃い色をしています。
これがダークグリーンだ!という動画をみつけきれていません。(正直、ノーマルとの区別があまりわかりません。)
オリーブ
オリーブはノーマルにダーク因子が2つ入ったものです。
ダークグリーンより羽の色がさらに濃いオリーブ色になります。
↑ オリーブの雛。ノーマルも一緒にいるので比較すると違いが判ります。
↑大人になるとこんな感じ。濃い抹茶みたいな色ですね。
ルチノー(Lutino) ※イノ(ino)
セキセイインコのルチノーと同様にメラニンが欠乏した種類です。
ただしコザクラインコの場合は額から胸にかけての赤い色は残っています。また背中から尾羽にかけての青い色は、薄い水色になっています。
よって、ルチノーの特徴は黄色い体に額から胸が赤、背中は水色、そして赤い目をしています。
目が弱いので、直射日光には当てないように注意が必要です。
なお、コザクラインコのルチノーはルチノー因子(イノ因子)によるものです。
後述するブルー系のコザクラインコがルチノー因子でルチノー種になるとクリームルチノーという薄い黄色の種類になります。
↑この動画ではノーマルとルチノーのコザクラインコが紙切りをしている姿がご覧になれます。
なお、クリームルチノーはコバルトの説明欄の動画に登場していますのでそちらをご覧ください。
アルビノ(Albino)
こちらもルチノーと同様のメラニンが欠乏した種類で、白い体と赤い目が特徴。
ただしコザクラインコにはアルビノという遺伝子は無いらしく、前述したルチノー(イノ)と他の因子が組み合わさって、白い体と赤い目になったものをアルビノと呼んでいるようです。
具体的にはダーク因子、後述するホワイトフェイス因子、バイオレット因子が絡んでやっと白い体になるようです。
↑ 成長のアルビノコザクラインコ動画はあまり見当たらず、やっとみつけました。このコは「モエちゃん!」と自己紹介する動画もあります。
ゴールデンチェリー ※パリッド(Pallid)
ゴールデンチェリーはイエロー系のコザクラインコで、アメリカンイエロー、オーストラリアンイエロー、ジャパニーズイエローの3種類のことをゴールデンチェリーと呼ぶようです。
ただし、ジャパニーズイエローは遺伝的にメスしか生まれないらしく、現在はほとんどいないようです。
また、オーストラリアンイエローはオーストラリアンシナモンとも呼ばれるようで、この品種もほとんどがメスらしいです。
とここまで書きましたが、ここまでに書いた情報はネット上によくある情報なのですが、かなりいい加減なもののようで、正しい情報とは言い難い様子です。
とりあえず一般的にゴールデンチェリーと呼ばれている種類の特徴は、ルチノー同様に体が黄色く額が赤いのですが、ルチノーとの違いは目が赤くないことと、背中から腰の色がルチノーはほとんど白かとても薄いブルーなのに比較すると、少し濃いブルーらしいです。
まず、オーストラリアンシナモンはパリッド因子、アメリカンイエローというのは存在自体が不明確でしてアメリカンシナモンはシナモン因子という別物の遺伝子です。そしてどちらも目はブドウ色。
ややこしくなるので省きますが、ゴールデンチェリーは、パリッドそのもの、またはパリッドやシナモンがルチノーと組み合わさったもので体が黄色系、額は赤、目はぶどう色になった種別の総称だと考えられます。
↑このコがおそらくオーストラリアンシナモン(パリッド)でしょうか?(もし違ってたらご指摘下さい…)
ルチノーのような真っ黄色ではなく、少し黄緑っぽいような、からし色っぽいような黄色で、腰がきれいな水色ですね。
シナモン(Cinnamon)
前述しましたが、アメリカンシナモンとも呼ばれます。
特徴は体が茶色っぽい黄緑、目はブドウ色、額から顔は赤です。
↑このコはシナモンだと思うのですが・・・もはや自信なし。違っていたらご指摘ください。
いろんな鳴きまねをするコですよ。
イエローパイド(別名:タイガーチェリー)※ドミナントパイド(Dominant pied)
一般的に日本ではタイガーチェリーと呼ばれることのほうが多いようです。タイガーチェリーとはコザクラインコのイエローパイド種のことです。正確にはドミナントパイドという因子を持つ種類のようです。
ノーマルの毛色に対してランダムで黄色い班模様が入ってる種類です。
とてもきれいで人気があります。
ちなみにパイド因子はどの種類にも発現するようですので、青系のコザクラにもパイドは存在します。
(↑)こちらの動画はべたなれのタイガーチェリー。かわいすぎる!
ダッチブルー ※アクア(Aqua)
さて、ここからが区別が超難関となってくるブルー系です。ブルー系を総称でブルーチェリーといいます。
ダッチブルーはアクアとも呼ばれるようで、ダッチブルー因子(アクア因子)を2つもつと発現するようです。
特徴は緑と青の中間のような体の色に、額はオレンジ(杏色)、胸は白、クチバシは黄色です。
(↑)こちらのミントちゃんはダッチブルーだと思うのですが、違ってたらごめんなさい。あまりブルーぽくないので違うのかも。次のホワイトフェイス欄に貼ってある動画に登場するコのほうがダッチブルーの特徴を備えてるかもしれません。
ホワイトフェイス ※ターコイズ(Turquoise)
ターコイズとも言うようです。
特徴はターコイズ色(緑っぽい青)の体に、 額は白またはわずかな杏色、胸は白、クチバシはピンク色です。
ホワイトフェイスはターコイズともいうようで、ホワイトフェイス因子(ターコイズ因子)を2つ持つと発現するようです。
(↑)こちらの動画ではノーマル、ダッチブルー、ホワイトフェイスの3種類が登場しているようです。もちろん顔が白いコがホワイトフェイスです。(もしかして後述するホワイトフェイスのコバルトかもしれません)
シーグリーン ※アクアターコイズ(AquaTurquoise)
シーグリーンは簡単にいうとダッチブルーとホワイトフェイスの中間です。
遺伝的にもダッチブルー因子(アクア因子)とホワイトフェイス因子(ターコイズ因子)を1つずつ持っているのがシーグリーンです。
特徴は青っぽい緑の体に、 額は薄い杏色、胸は白、クチバシは根元がピンク色で先のほうが黄色です。
ダッチブルーとの見分けが非常に難しいですが、シーグリーンのほうが青みが強く、額の杏色が薄く、クチバシの根元がピンクということで見分けられるようです。
通常のシーグリーンと、ダーク因子をもったダークシーグリーンがいるようです。
(↑)シーグリーンのぴーちゃん。スケボー、トンネルくぐり、バスケットゴールなど多彩な技を披露してくれます。こんなに賢いコザクラがいるとは!!(それに比べて我が家の2羽…)
コバルト
ブルー系のコザクラインコにダーク因子が1つ入ったものをコバルトと呼ぶようです。
ブルー系ではダッチブルー、ホワイトフェイス、シーグリーンがいますが、おそらくこのどれかにダーク因子が1つ入るとコバルトと言うようですので、コバルトにはいろんな種類がいることになります。
このうち、シーグリーンの場合はダーク因子が入るとダークシーグリーンと呼ばれますが、これもコバルトの一種ということになります。
特徴としては体はかなり青っぽい色、額は白か薄い杏色、顔から胸は白です。
しかし、一般的にコバルトとして出回っているのはホワイトフェイスのダーク因子1にさらにバイオレットが混ざっていたりいなかったりなような。。。よくわかりません。
※動画は次のモーブで一緒に登場します。
モーブ
ブルー系のコザクラインコにダーク因子が2つ入ったものをモーブと呼ぶようです。
これも ダッチブルー、ホワイトフェイス、シーグリーンのモーブが存在することになりますが、一般的なモーブはダッチブルー系だと思われます。
特徴としては体が鶯色(うぐいす色)、額は杏色、顔から胸は白です。
↑この動画にはモーブの「あんず」ちゃん、コバルトの「アクア」ちゃんが登場。
「あんず」ちゃんはダッチブルー系、「アクア」ちゃんはホワイトフェイス系だとわかりますが、「アクア」ちゃんはかなり色が青系なので、バイオレットも入ってるのかもしれません。
バイオレット(violet)
では次はバイオレットです。
特徴は体が紫っぽい青色の羽、額・顔・胸はほぼ白です。
バイオレットはバイオレット因子(バイオレットファクター)を持つと羽色が紫になるものです。
バイオレット因子はダーク因子が1つだけ入っていないと発現しないようです。よって、グリーン系ではダークグリーン、ブルー系ではコバルトがバイオレット因子と組み合わさるとバイオレットになります。
さらに、紫が一番きれいに出るのはホワイトフェイス因子との組み合わせらしいので、一般的なバイオレットはホワイトフェイスのダーク因子1つ持ちのもののようです。
バイオレット因子を1つもつとSF(シングルファクター)、2つもつとDF(ダブルファクター)といいます。もちろんDFのほうが紫色が強く出ます。
さらにバイオレット因子には2種類あるようです。この辺は省略しますが、バイオレットにはいろんな紫色の種類がいるのはこのような複雑な遺伝要素のためです。
↑この動画にはきれいなホワイトフェイスバイオレットのコが登場します。
なお、序盤に登場する黄色いコはクリームルチノーです。
さらに青緑色のコがクリームルチノーの父親とバイオレットの母親から生まれた子供とのことで、シーグリーンです。クリーム色と紫色から青緑のシーグリーン、不思議な感じがしますよね。
オレンジフェイス(Orange face)
特徴はその名の通りで、額から顔の色がオレンジ色です。
オレンジフェイスの因子を2つ持つと発現するようですが正確にはよくわかりません。
なぜか後述のオパーリンと組み合わさったものが多く感じます。
↑日本国内でのノーマルグリーンのオレンジフェイスの動画がみつからず、海外のものです。とてもきれいなオレンジ色ですね。
オパーリン(Opaline)
オパーリンはコザクラインコの特徴ともいえる額のはちまき、いわゆる後頭部と額をくっきり分ける部分がなく、頭全体が額と同じ色になる種類です。
特徴は前述の通り、頭全体が顔・額と同色、そして腰の羽の色も体と同色になるようです。
オパーリンはオパーリン因子により発現するようです。
よって、他の因子との組み合わせでいろいろな種類のオパーリンが存在します。
↑ノーマル系のオパーリン。後頭部まで赤いですね。
レッドサフュージョン(Red Suffusion)
赤いコザクラインコも存在するというのをご存じでしょうか?
特徴は体が赤いこと(そのまま)です。
レッドイノとレッドサフュージョンの2種類が存在するようです。
前者はルチノーオパーリンの変異体と考えられているようですが、後者はよくわからないようです。
この赤いコザクラは非常にレアなのでペット屋で見かけることはほぼ無いでしょう。(数十年先はわかりませんが…)
↑レッドサフュージョンの雛。大きくなったらどんな色になったのでしょうか。
その他の種類
ここまでご覧くださった方はお分かりのように、コザクラインコの種類は遺伝上のさまざまな因子が組み合わさって非常に多くの種類が存在します。
調べた限り以下の因子が存在します。(まだあると思われます)
- グリーン
- パイド(ドミナントパイド)
- ダッチブルー(アクア)
- ホワイトフェイス(ターコイズ)
- オレンジフェイス
- ルチノー(イノ)
- ダークファクター
- バイオレットファクター(2種あるらしい)
- オパーリン
- パリッド(オーストラリアンシナモン)
- シナモン(アメリカンシナモン)
- ファロー(2種類あるらしい)
- パステル(マーブル)
- ダイリュート
- レセッシブパイド
- ペイルヘッド
- ミスティー
これらの組み合わせですので、遺伝因子の種類により発現したりしなかったりがあるものの、すさまじい数の種類があるとお分かりいただけると思います。
なお、これらの組み合わせ以外に、ジャンボコザクラインコという体格の大きいコザクラインコがいるらしいのですが、動画等みあたらず確認できていません。
最後に
コザクラインコの魅力が伝わったでしょうか?
とにかく種類が多く、人にべたなれするコザクラインコ、気になった方は是非ご家族の一員として迎えることをご検討ください。
長い記事となりましたが、コザクラインコはどの種類もかわいい!これに尽きます。
なお、コザクラインコに関しては我が家でも長年飼育しており大変愛着があります。遺伝についてもこのページ作成にあたり結構調べましたので、主な種類は個別記事を作成していくつもりです。
現在、Google検索で上位に来るコザクラインコの種類に関する情報は古いものが多いと感じます。特にイエロー系の情報は掲載画像も含めてあまり当てになりません。
一方で一部の専門的な情報を掲載しているブリーダーさんなどのブログでは、もはや難解すぎて素人の方が見ても「???」となる感じです。
皆様の飼育しているコザクラインコの種類に疑問を感じたり、ペットショップで見かけたコがどんな種類なのかなと気になった方に、この記事の情報が参考になれば幸いです。
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