セキセイインコの種類:ウイングについて
セキセイインコの種類について深堀するシリーズ、第8回目はウイングです。
セキセイインコはたくさんの小鳥・インコファンの方々から愛されている鳥です。
セキセイインコの種類については既に別の記事でご紹介済みなのですが、その種類一つ一つについて、もう少し細かく調べてまとめたいと思います。
上の記事でご紹介しているように、セキセイインコには非常に多くの種類がいます。代表的なものは以下の通りです。
- ノーマル(Normal)
- オパーリン(Opaline)
- パイド(Pied)
- ハルクイン(Harlequin)
- ルチノー(Lutino)
- アルビノ(Albino)
- レインボー(Rainbow)
- スパングル(Spangle)
- ウイング(Wing)
- ファロー(fallow)
- 羽衣セキセイ
- 梵天セキセイ
- ジャンボセキセイ
今回はウイング種についてです。
ウイングは英語では「Wing」と書きます。そうです、翼です。
セキセイインコは鳥なので翼があるのは当たり前です。それなのになぜ、品種名として「ウイング」という名称が使われているのでしょうか。
それはどうやら翼の色の違いによるもののようですが、実はウイング種には正確には2種類あります。
「クリアウイング(Clearwing)」と「グレイウイング(Graywing)」です。
日本ではこの2種類をまとめてウイング種と呼んでいるようです。
また、近い種類で「ダイリュート(Dilute)」という種類もあり、これも混同してウイングと呼ばれている可能性があります。
ウイングの特徴(魅力)
セキセイインコのウイング種の特徴・魅力は以下の通りです。
- 美しい淡い色
- 判別が困難
- レインボーもウイング種
美しい淡い色
ウイング種の最大の特徴はその羽の色です。
ウィング種はメラニン色素が薄められ羽の黒い模様が淡いグレーになります。グレーの濃さや色合いは正確な種類(クリアウイング、グレーウイング、ダイリュート)によって異なり、また、同じ種類でも濃さには個体差があるようです。
判別が困難
前述しているように、日本でウイングと呼ばれている種類は、正式な遺伝上の品種としてはクリアウイング、グレイウイング、ダイリュートが含まれているようです。
しかし、これらの種別を素人が見た目で判別するのは非常に困難です。
羽色の濃さは大まかにはクリアウィングが一番濃く、ダイリュートが最も薄いようです。
それぞれの種別のもう少し細かい説明は後述します。
レインボーもウイング種
セキセイインコの品種で最近とても人気のある種類としてレインボーがあります。
レインボーも実はウイング種です。
クリアウイングまたはグレイウイングに、オパーリンと、イエローフェイス系(イエローフェイスⅠ、イエローフェイスⅡ、ゴールデンフェイス)が組み合わさった種類をレインボーと呼びます。
パステルカラーレインボーという品種名でよく販売されていますが、パステルカラーなのはクリアウイングまたはグレイウイングが入っているからです。
なお、日本ではクリアウイングまたはグレイウイングの代わりにスパングルが入ったものもレインボーとして販売されていることがあります。
セキセイインコのウイング種のカラー
ではウイング種のカラーに関してです。
ここでは、遺伝上の違いの説明を交えながら動画とともに見ていきましょう。
クリアウイング(Clearwing)
まずはクリアウイングです。
クリアウイングは遺伝上は常染色体潜性遺伝(常染色体劣性遺伝)です。よって、遺伝の法則的には野生色(グリーン)に対するブルー変異と同じ法則であり、クリアウイング遺伝子が2つ揃わないと発現しません。
ではクリアウイングの特徴です。
クリアウイングの特徴
- ボディカラー(お腹と背中)は原色か10%程度メラニン色素が抜けた少し薄い色
- 翼の色は淡い灰色または白か黄色
- 頬の斑点は濃い紫か濃い青
- 尾羽はグレー系の色
クリアウイングはグリーン系かブルー系かによって、イエローウイングかホワイトウイングとも呼ばれます。
イエローウイング
ノーマル色(ライトグリーン)のクリアウイングは、イエローウイングと呼ばれます。
お腹の色はほぼ原色のライトグリーン、羽の色は黄色に薄いグレーの模様、尾羽は淡い灰緑色です。
↑いきなりラブラブな動画で申し訳ありません(汗
たぶんこちらが、イエローウイングではないでしょうか。。。
ホワイトウイング
ブルー系のクリアウイングはホワイトウイングと呼ばれます。
お腹の色はほぼ原色のスカイブルー、羽の色は白に薄いグレー模様、尾羽はグレーです。
↑おそらくこちらがスカイブルーのクリアウイングかと。まさにホワイトウイングという翼の色。
グレイウイング(Graywing)
グレイウイングも遺伝上は常染色体潜性遺伝(常染色体劣性遺伝)です。よって、遺伝の法則的には野生色(グリーン)に対する、ブルー変異と同じ法則であり、グレイウイング遺伝子が2つ揃わないと発現しません。
そしてグレイウイングはクリアウイングと同じ遺伝子座(染色体上の同じ位置のこと)の変異です。
ではグレイウィングの特徴です。
グレイウイングの特徴
- ボディカラー(お腹と背中)は原色か50%程度メラニン色素が抜けた薄い色
- 翼の色は灰色で、黄色または白の縁取り
- 頬の斑点は明るい紫か青、首の斑点がグレー
- 尾羽は青みがかったグレー
↑グリーン系のグレイウイング。まだ雛ですね。
↑ブルー系のグレイウイング。まだ雛のようで、あまりいい動画をみつけられず。
ダイリュート(Dilute)
ダイリュートも常染色体潜性遺伝(常染色体劣性遺伝)です。よって、遺伝の法則的には野生色(グリーン)に対する、ブルー変異と同じ法則であり、ダイリュート遺伝子が2つ揃わないと発現しません。
またダイリュートもグレイウイング、クリアウイングと同じ遺伝子座(染色体上の同じ位置のこと)の変異です。
ではダイリュートの特徴です。
ダイリュートの特徴
- ボディカラー(お腹と背中)は80%程度メラニン色素が抜けた淡い色
- 翼の色は淡い灰色
- 頬の斑点は薄い紫か薄い青、首の斑点は薄いグレー
- 尾羽は白、淡黄色、または淡灰色
なお、ダイリュートはグレイウィング、クリアウィングと同じ遺伝子座にありますが、いずれに対しても潜性遺伝となります。(クリアウイング+ダイリュートの遺伝子の組み合わせではクリアウイングになり、同様にグレイウィング+ダイリュートの組み合わせではグレイウイングになる)
↑グリーン系のダイリュート。ブルー系はクリアウイングのようです。
↑ブルー系のダイリュート。グレイウイングのようにも見えますが。。。もう少し明るく全体が映っている動画があればよいのですが。
フルボディ・グレイウイング(Fullbodied-Greywing)
クリアウイングとグレイウイングは同じ遺伝子座の変異です。
クリアウイングとグレイウイングは共に野生型に対して潜性遺伝なのですが、クリアウイング遺伝子とグレイウイング遺伝子を1つずつ保持した場合は、フルボディ・グレイウイングという種類になります。
ではフルボディ・グレイウィングの特徴です。
フルボディ・グレイウイングの特徴
- ボディカラー(お腹と背中)は原色か10%程度メラニン色素が抜けた色
- 翼の色は灰色で、黄色または白の縁取り
- 頬の斑点は暗い紫色か暗い青色、首の斑点はグレー
- 尾羽は青みがかった灰色
フルボディ・グレイウイングはこのようにクリアウィングの濃いめの体色と、グレイウィングの灰色の翼を併せ持った姿になるようです。
↑フルボディ・グレイウイングのグリーン
↑1つ上の動画は小さいのでもうひとつ。こちらもおそらくフルボディ・グレイウイングのグリーンだと思いますが・・・(違ってたらごめんなさい)
↑こちらはブルー系。フルボディ・グレイウイングとして投稿されていますが、ちょっと体色は薄いような。どうでしょうか。
日本のウイング系セキセイインコ紹介
今回は親から子供への遺伝の情報はスキップします。
それでは、ここまでの動画が海外のものばかりでしたので、日本で飼育されているウイング系セキセイインコの動画をご紹介。なお、レインボーもウイング系ですが、ここでは除外しています。
↑こちらのグリーン系のコ(ぷぷちゃん)はイエローウィングでしょうか。オパーリンではないタイプでもしかしてダークグリーンのクリアウィング?渋めで美しい色合いです。ブルー系のコ(パンジーちゃん)はハルクインですね。
↑ブルー系からはこちらのコ(パルちゃん)。バイオレットコバルトのブルーウイング。こちらもオパーリンではなく、なかなか珍しい羽色だと思います。老鳥で目が見えないそうですが、長生きしてほしいですね。
最後に
今回はセキセイインコの種類のうち、ウイングをご紹介しました。
ウイングはなかなか珍しい種類ではありますが、遺伝的にはクリアウイングとグレイウイングがあり、またダイリュートも同じ遺伝子座の変異として存在するとのこと。
日本のペットショップではこれらは、明確に区別されてはいないようです。理由として見た目では見分けにくいこともあるのでしょうか。たしかに動画を見てもどの種類なのか見分けるのは非常に困難です。
海外のサイトに頬の班点での見分け方画像がありましたので引用しておきますが、実際はなかなかこのようにはっきりとは分かれていないようです。
https://www.budgie-bubble.co.uk/clearwing-mutation
ペットショップではウイングとして販売されているものは珍しいですが、人気のレインボーもウイング系の遺伝が入っており、パステルカラーレインボーがパステル色なのはウイング系の遺伝子によるもののようです。
それにしても、レインボーもウイング系が複数あるうえに、組み合わさるイエローフェイス系の遺伝も複数あるので、似てはいるもののとても多くの色が存在しており、やはりセキセイインコの遺伝は奥が深いですね。
レインボーに関してはまた今後の記事でご紹介予定ですので、セキセイインコの遺伝の知識を深めていけたらと思います。ではまた。





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