オカメインコとは
オカメインコもペットのインコの中ではポピュラーです。
飼育数ではセキセイインコについでコザクラインコと2番手争いをしているようなイメージです。とても根強いファンも多く、人気ではインコ・オウムの中で1番らしいです。
中型インコで性格は温厚、そして長生き、人にもよくなれるので、鳥好きにはとても魅力的なペットだと言えるでしょう。
名前:オカメインコ
和名:片福面鸚哥
英名:Cockatiel(コカティール)
分類:オウム目オウム科オカメインコ属
体長:30-35cm
寿命:20~30年
分布:オーストラリア
野生のオカメインコはオーストラリア大陸の広い地域に生息しており、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストによると保全状況はLC(Least Concern:低懸念)です。
オカメインコの特徴(魅力)
オカメインコの魅力はなんといってもチャームポイントである頬にオレンジ色のチークパッチ(斑点)がある点と、頭頂部の冠羽ですよね。
でもそれ以外にもたくさんの魅力を持つ鳥です。主な魅力的な特徴3つは以下の通りです。
- 種類が豊富
- 温和な性格
- とっても長生き
種類が豊富
セキセイインコやコザクラインコと同様にたくさんの種類(品種)が存在します。
ただしカラーについてはセキセイインコやコザクラインコに比べると多くはありません。それはグリーンやブルーの色素を持っていないからです。
オカメインコはメラニン色素(黒・グレー・茶色)とリポクローム色素(黄色・オレンジ色)の2種類の色素しかもっていません。しかしながら、その中でさまざまな色や模様の種類がいます。
長生きな鳥ですので、お好みの種類を選択できるのも大きな魅力ですね。
種類は顔、体、尾羽、風切羽の色や模様、目の色などで見分けますが、混在した特徴があり正確に見分けにくい個体も存在します。
温和な性格
オカメインコはとても大人しい性格の鳥です。しかし、臆病すぎるところがあります。ここはセキセイインコやコザクラインコとの大きな違いかもしれません。
とても温厚で甘えん坊な性格、これが大人気のポイントかもしれません。
とても長生き
オカメインコのお値段は品種によりますが、一般的には 20,000円~50,000円程度。セキセイインコやコザクラインコに比べると高価です。
しかしその分、寿命が長く15~25年という長生きな鳥です。30年程度生きるコもいるそうです。
またエサ代もペットの中ではかなり安い部類です。
ただ、体長が大きいため、ケージはセキセイインコやコザクラインコに比べると大きなものが必要です。
オカメインコの種類
オカメインコの種類で代表的なものをご紹介します。
ノーマル(Normal)
ノーマルグレイや並オカメインコとも呼ばれる、野生に住む原種の姿です。
その特徴はグレーの体に白い翼帯、顔が黄色で頬にオレンジのチークパッチ。
オスのほうが顔の黄色や頬のオレンジがはっきりと表れ、メスは顔全体が薄いグレーに黄色と頬のオレンジが混ざるような感じのため、大人になると外観ですぐに性別判断ができます。
最近のペットショップではノーマルより色変わりが多いので、逆に珍しいかもしれません。
(↑)こちらの動画は野生のオカメインコペアです。手前がオス、奥がメスですね。
(↑)こちらの動画は飼育されてるペア。野生のものは屋外で直射日光が当たっての色ですが、こちらは室内ですのでかなりグレーが濃いと分かります。
羊毛フェルト作品
ノーマルオカメインコのオスです。
冠羽と長い尾羽まで頑張って作り込んでいます。
表情はクリクリおめめが可愛らしく。
ルチノー(Lutino)
セキセイインコやコザクラインコのルチノーと同様にメラニン色素が欠乏しているため、体全体が薄い黄色になっているものです。
特徴は薄黄色(クリーム色)の体に顔と冠羽は黄色、オレンジ色のチークパックで目は雛の頃は赤く、大人になるとブドウ色になるようです。
非常に人気があり、ペットショップでもよく見かける種類です。日本では「白オカメ」とも呼ばれています。
ノーマルと違い、顔の色ではオスメスの判別が難しいです。
なお、ルチノーは「性染色体潜性遺伝(性染色体劣性遺伝)」ですので、流通している個体でルチノーのものはメスである可能性が高いと言えます。
ここでは遺伝の詳しい話は省きますが、ルチノーを迎え入れようとしている方で、性別にこだわる場合は、「性染色体潜性遺伝」の仕組みを理解して、両親の種類などからしっかり調べたほうがよいかと思います。
最近はDNA鑑定にて性別確認済みの個体が販売されていることもあります。
なお、ルチノーのもう一つの特徴として冠羽の裏がハゲている個体が多いとか…
(↑)こちらの動画はおしゃべりするルチノーオカメインコ。オカメインコはしゃべるのは得意ではないのですが、このコは結構お上手。
シナモン(Cinnamon)
シナモンは別名:イザベル(Isabelle)とも呼ばれ、メラニン色素が茶色く変異した種類です。
特徴としては、ノーマルの灰色の部分がシナモン色(薄い茶色)になっています。顔の色もノーマルより黄色がはっきりとしています。
ノーマルより温かみのある体色で人気が高い種類です。
また、シナモンもルチノーと同様に「性染色体潜性遺伝」です。
(↑)こちらの動画ではシナモンのLemonさんが口笛の特訓中!楽しい動画です。
パイド(Pied)
パイドとは英語で「まだら模様」という意味です。セキセイインコやコザクラインコのパイドと同様に、背中や翼、おなかの色が斑(色抜け)になっているのが特徴です。またくちばしと脚もペールオレンジに近い色になるようです。
パイドその色抜けが個体により異なるので、世界でほぼ1つだけの模様をもつ個体になります。ここも大きな魅力かもしれません。
色抜けは基本的にクリーム色で、不規則にまだら模様が入ります。色の抜け度合いで呼び名が以下のように異なります。
- ライトパイド ……… 30%未満の色抜け
- ミディアムパイド ……… 30%以上70%未満の色抜け
- ヘビーパイド ……… 70%以上90%程度の色抜け
- クリアパイド ……… ほぼ100%の色抜け
※90%以上の場合にどこからクリアパイドと呼ぶかは曖昧なようです。
※クリアパイドはルチノーとそっくりですが、目が黒ければクリアパイドです。
※色抜けが左右対称のものはリバースと呼ばれます。
パイドは遺伝的には「常染色体潜性遺伝」です。他の種類と組み合わさるため、ノーマルのパイド、シナモンのパイド、また後述するパールのパイドなども存在します。
(↑)こちらの動画では、ノーマルパイドのコがヒマワリを食べるだけの動画!おなかと顔のまだら模様が個性的です。
パール(Pearl)
パールは羽毛一枚一枚のメラニン色素の配色がパターンが変化し、部分的に色抜けした品種です。
特徴としては羽毛一枚一枚に水玉やさざ波のような模様が現れます。そして全体的にノーマル系より黄色味が強くなります。
なお、この模様は一般的にはオスの場合は成鳥になると少なくなったり、消えてしまいますが、老鳥になると復活したりするそうです。メスの場合は模様がずっと残ります。
最近はオスの成鳥でも模様が消えない品種もあるようですが、ずっと美しいパール模様を楽しみたい場合は、購入時に性別を気にしたほうがよいでしょう。
パールはルチノーなどと同じ「性染色体潜性遺伝」です。
他の品種と組み合わさりますが、その中でルチノーのパールはクリーム色の羽にさざ波模様が入り、とても美しい羽色になるようです。
(↑)こちらの動画はパールのオスの模様の移り変わりを説明しています。きれいなパール模様が消えるのは少しもったいない気がしますね。
ホワイトフェイス(Whiteface)
ホワイトフェイスはリポクローム色素(黄色・オレンジ色)が欠落した種類です。欠落は全身に及びます。
よって特徴はオカメインコの特徴ともいえる顔のオレンジ色のチークパッチがなく、体全体の黄色い羽が白くなっています。ノーマルの黄色部分を白に置き換えたイメージです。
人気も高い種類で、黄色がないため温かみは消えますが、シックで気品のある感じが好きな人にはおすすめです。
ホワイトフェイスは「常染色体潜性遺伝(常染色体劣性遺伝)」です。
「WF」という略称になり、ペットショップではホワイトフェイスのパールは「WFパール」などと表記されていることがあります。
(↑)こちらの動画は海外のコですが、おそらく普通のホワイトフェイス。国内では成鳥の動画はパイドやパールが混ざっているコしか見つけきれず。
アルビノ(Albino)
オカメインコにアルビノという遺伝因子は存在しません。ルチノーとホワイトフェイスの両方の因子が発現したものが一般的にはアルビノとして流通しているようです。
特徴は真っ白な体、目はぶどう色が多いようです。
なお、真っ白な個体は上述したルチノー×ホワイトフェイス以外にもさまざまな因子の組み合わせで発現するようで、必ずこの組み合わせというわけではなく、目が赤い個体もいるようです。
(↑)こちらの動画は白い体がとってもきれいなコ。歌もとってもお上手でかわいすぎ!
エメラルド(Emerald)
エメラルドはメラニン色素が80%程度が減少したことにより、黄色とグレーの色素が重なりオリーブ色っぽい色に見える品種です。よってオリーブとも呼ばれます。
特徴としては、黄色とグレーが混ざったような色合いにさざ波のような模様が浮かび上がった体、頭部はグレーっぽく、頬はオレンジ色です。
エメラルドは「常染色体潜性遺伝(常染色体劣性遺伝)」です。
個体によって色合いの差が大きいようです。めずらしい種類ですので鳥類の専門店でしかなかなか出会えないと思われます。
(↑)こちらは海外の動画ですが、エメラルド独特の体色・模様に注目です。
パステルフェイス(Pastelface)
パステルフェイスの特徴はその名の通り顔がパステル、つまり頬のチークパッチの色が薄いオレンジ色になっていいます。ノーマルと比べると全体的に黄色が薄いようです。
「PF」という略称で表記されていることがあります。パステルフェイスも「常染色体潜性遺伝(常染色体劣性遺伝)」ですが、同じ「常染色体潜性遺伝」のホワイトフェイスと重なった場合はパステルフェイスが顕性(優性)です。
(↑)こちらの動画のコはパステルでしょうか?間違っていたらすみません。豪快な水浴び(浴びてないけど)がかわいいですね。
ファロー(fallow)
ファローはメラニン色素が薄くなった品種です。特徴は薄いシナモン色の体と赤い目です。
めずらしい種類なのでショップで見かけることはほとんどないかもしれません。
ファローも「常染色体潜性遺伝(常染色体劣性遺伝)」です。
(↑)こちらの動画は海外のものですがファロー。といってもノーマルのファローでなくホワイトフェイスのファローですね、奥のコはパールも混ざっているように見えます。ノーマルのファローの成鳥動画がほとんど見あたらず。
その他の種類
オカメインコには今回ご紹介をしていない種類がまだまだあります。
調べたところではオカメインコの種類を構成する遺伝因子には以下があります。(他にもあると思われます)
- ルチノー(LU)
- シナモン(CN)
- パール(PL)
- ホワイトフェイス(WF)
- パステルフェイス(PF)
- パイド(PD)
- エメラルド(EM)
- ファロー(FLW)
- ドミナントシルバー(DS)
- レセッシブシルバー(RS)
- ドミナントイエローチーク(DYC)
- セックスリングドイエローチーク(SLYC)
※カッコ内は略称
今回、上にあげた中でドミナントシルバー以降は紹介していませんので、また別の記事で書きたいと思います。
そして、これらの因子の組み合わせで種類がありますので、セキセイインコやコザクラインコには及ばないのかもしれませんが、相当な数の種類があります。
なお、オカメインコに羽の形が異なる梵天オカメや、羽衣オカメ、それから体のサイズが一回り大きいジャンボオカメがいるのかは不明です。。。(たぶんいません)
羊毛フェルト作品
いろいろな種類のオカメインコが乗ったリース
最後に
オカメインコにもさまざまな種類がいて、とても魅力的なインコ(オウム)であることがお分かりになられたと思います。
体の大きさの割には臆病なオカメインコ、セキセイインコやコザクラインコと共に飼っている場合は、セキセイやコザクラに追い払われることも多いようですね。
そんな温和な性格も大きな魅力でしょう。
この記事がオカメインコをペットに迎えることをご検討している方の参考になれば幸いです。
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