- オキナインコとは
- オキナインコの特徴(魅力)
- オキナインコの種類
- オキナインコの色変わり種
- グリーン(ノーマル)(Green)
- オパーリン(Opaline)
- パリッド(Pallid)
- ルチノー(Lutino)
- シナモン(Cinnamon)
- ダークグリーン(DarkGreen)
- オリーブ(Olive)
- グレーグリーン(Grey-Green)
- ブルー(Blue)
- パラブルー(ターコイズ、アクア)(Parablue:Turquoise / Aqua)
- ブルーオパーリン(Blue Opaline)
- パラブルー(ターコイズ、アクア)オパーリン(Parablue:Turquoise / Aqua Opaline)
- ブルーパリッド(Blue Pallid)
- パラブルー(ターコイズ、アクア)パリッド(Parablue:Turquoise / Aqua Pallid)
- クリームイノ(Cream Ino)
- アルビノ(Albino)
- ブルーシナモン(Blue Cinnamon)
- コバルト(Cobalt)
- モーブ(mauve)
- クロスオーバー(パリッドオパーリン)(Crossover:Pallid Opaline )スノーホワイト
- その他の種類
- 最後に
オキナインコとは
今回はオキナインコについてご紹介いたします。
オキナインコは南米原産の中型インコで、最近コンパニオンバードとしての人気が高まっているインコです。名前の由来は見た目が翁(おじいさん)に似ているからだとか!?
中型インコのなかでは体格はボタンインコ、コザクラインコより大きく、シロハラインコより若干小さい位でしょうか。しかし、シロハラインコより尾が長いので体長はオキナインコのほうが大きくなります。
オキナインコはオキナインコ属の一種ですが、まずはオキナインコ属についてのご紹介から。
名前:オキナインコ属
和名:翁鸚哥
英名:Myiopsitta
分類:オウム目インコ科オキナインコ属
体長:約29cm
寿命:20~30年
分布:アルゼンチン、ブラジル、ウルグアイ、ボリビア
オキナインコ属は南アメリカ原産ですが、他のさまざまな地域で再野生化して生息しています。ヨーロッパや北アメリカの多くの地域で繁殖しているようです。
オキナインコの特徴(魅力)
オキナインコの魅力的な特徴を3点あげると以下です。
- おしゃべり上手
- 穏やかでよく慣れる
- 多彩なカラー
おしゃべり上手
オキナインコはとても賢くて人間の言葉をたくさん覚えて話すことができるようです。
一般的にインコの中ではヨウムに次ぐおしゃべり上手だといわれています。
また、しつければいろいろな芸を覚えることもできるようです。
穏やかでよく慣れる
オキナインコは中型インコの中では比較的性格が穏やかなインコです。
幼鳥から育てれば人にべったり慣れ、スキンシップも大好きになります。
穏やかな性格であまり騒ぐようなタイプではありませんが、呼び鳴きなどの鳴き声は非常に大きいため、防音対策は必須でしょう。
多彩なカラー
オキナインコも近年、色変わりがたくさん登場しています。
原種色は背中側が薄緑色で額、頬から胸・お腹は白灰色のインコにしては地味目なカラーです。
しかし、近年はブルー系やイエロー系のカラフルな種類がたくさん登場しているため、お気に入りのカラーを選ぶことができます。
オキナインコの種類
生物学上の種類
オキナインコ属は次の2種類に分類されています。
名称 | 英名 | 学名 | 備考 |
---|---|---|---|
オキナインコ | Monk parakeet Quaker parrot | Myiopsitta monachus | |
クリフインコ | Cliff parakeet | Myiopsitta luchsi |
ではそれぞれの特徴と動画をご紹介していきます。
Monk parakeet(オキナインコ)
明るい緑色の体に灰色がかった胸と緑がかった黄色の腹部、風切羽は濃青色で尾は長く、くちばしはオレンジ色です。
前述のとおり、原産地は南米ですがヨーロッパおよび北アメリカの多くの地域で再野生化しています。
3種類の亜種が存在します。
名称 | 生息地 | 備考 |
---|---|---|
M. m. monachus | アルゼンチン北東部、ウルグアイ、など | 基亜種 |
M. m. calita | ボリビア南東部、アルゼンチン北西部、など | |
M. m. cotorra | ブラジル南西部、ボリビア東部、など |
亜種ごとの説明は省略しますが、calita、cotorraは少しだけ小柄なようです。
なお、国際自然保護連合(IUCN)が作成したレッドリストの保全状況では、LC(Least Concern:低懸念)に分類されており、さらに各地で再野生化していることから絶滅の心配は少ない種です。
↑こちらは野生のオキナインコ。アメリカでは広い地域で再野生化しており、この映像もおそらく北米で撮影されたものと思われます。
Cliff parakeet(クリフインコ)
クリフインコはボリビアの固有種です。
少し前までオキナインコの亜種とされていました。今でも日本のWikiなどでは亜種とされたままです。
亜種とみなされていただけに見た目はオキナインコとほとんど差がないようですが、オキナインコより体長が少し小柄で、お腹のさざ波模様がなく下部が明るい黄色です。
ボリビア中部のアンデス渓谷という標高1,000mを超える地域に分布しています。
保全状況は、NT(Near Threatened:準絶滅危惧)に分類されています。
↑こちらがクリフインコの野生の姿。
オキナインコの色変わり種
さて、ここからはペットのオキナインコの色変わりの種類を紹介します。
正直、こんなにいろんな種類の色変わりがあるとは驚きましたし、情報が少なく(というかじっくり調べる時間が足りず)、不明確な点が多々ある点はご容赦ください。
グリーン(ノーマル)(Green)
まずは、原種色であるグリーン(ノーマル)です。
グリーンのオキナインコは体の緑色が少し灰色がかったような渋みのある緑色をしています。
↑こちらがノーマルグリーンのオキナインコ、ピーちゃんです。
おしゃべりが大得意で、TVで紹介されて一躍有名に。
オパーリン(Opaline)
次はオパーリンです。
オパーリンの特徴は羽の色が退色することで、ノーマルより少し明るくて鮮やかなカラーになります。
オパーリンは伴性遺伝である性染色体潜性遺伝(性染色体劣性遺伝)です。
↑こちらの「こんぱまるTV」のオパーリン紹介動画は、後半にノーマルと一緒に登場するので比較しやすいです。
パリッド(Pallid)
次はパリッドです。
パリッドも羽の色が薄くなります。オパーリンよりもさらに退色した感じでしょうか。
そしてパリッドの特徴は赤目なのですが、オキナインコのパリッドは幼鳥時はかなり赤いのがわかりやすいようですが、成長するにつれて黒が濃くなっていき判別が難しくなるようです。
なお、パリッドも伴性遺伝の性染色体潜性遺伝(性染色体劣性遺伝)です。
↑パリッドの幼鳥。目が赤いのはわかりにくいですねぇ。パタパタがかわいい。
ルチノー(Lutino)
他のインコたちと同じようにオキナインコにもルチノーという色変わりがいます。
メラニン色素が減色することで、黒、グレー、青がなくなり羽は白か黄色、目は赤くなる種類です。
しかし他の多くのインコたちのルチノーは「性染色体潜性遺伝(性染色体劣性遺伝)」なのですが、オキナインコは「性染色体潜性遺伝(性染色体劣性遺伝)」によるルチノーと「常染色体潜性遺伝(常染色体劣性遺伝)」によるルチノーの両方が存在するとのことです。
※ボタンインコは「常染色体潜性遺伝(常染色体劣性遺伝)」でした。
見た目的に区別ができないようですので、どちらのルチノーなのかは遺伝的に系統を遡らないとわからないということになります。ややこしいですね。
遺伝やブリーディングを気にせずに普通に飼育する分にはどちらでも特に気にする必要はないでしょう。
↑こちらがルチノー。やっぱりワキワキバタバタ(笑)
シナモン(Cinnamon)
さて、次にご紹介するのはシナモンです。
シナモンの遺伝子は性染色体潜性遺伝(性染色体劣性遺伝)です。
シナモンは羽の色がシナモン色に変色し、爪と足の色は明るくなるがクチバシの色は変わらないそうです。
↑シナモン。からし色っぽい感じですが、先に紹介したパリッドや次のダークグリーンとの判別が難しそうです。
ダークグリーン(DarkGreen)
ダークグリーンはグリーンに対してダーク因子(ダークファクター)が1つ入ったものです。
これはコザクラインコやボタンインコなどと同じで、ノーマルのグリーンの緑色が暗くて濃い色になります。
ダーク因子は「常染色体顕性遺伝(常染色体優性遺伝)」で、この因子を1つ持つものをシングルファクター(SF)、2つ保持するものをダブルファクター(DF)と呼びます。
ダーク因子のシングルファクターはダークグリーン、ダブルファクターは次のオリーブになります。
※ダークグリーンの動画は見つけきれませんでした。写真または動画を提供してくださるかた大募集!
画像引用元:https://www.maranathaaviaries.com/quaker-colours
オリーブ(Olive)
オリーブはグリーンにダーク因子(ダークファクター)が2つ入ったものです。
これもコザクラインコやボタンインコと同じです。
羽色はダークグリーンよりもさらに濃い、オリーブ色になります。
↑オリーブのオキナインコの幼鳥。ワキワキの動きがかわいい。
グレーグリーン(Grey-Green)
オキナインコにはグレー因子という因子があるそうです。
これはダーク因子と同じ「常染色体顕性遺伝(常染色体優性遺伝)」であり、また因子が1つの場合はシングルファクター(SF)、2つではダブルファクター(DF)と呼ぶところも同じです。
さらに見た目もダーク因子とほとんど変わらないようで専門家でなければ見分けがつかないとか。
よって見た目上は、グレーグリーンのシングルファクター(SF)はダークグリーン、グレーグリーンのダブルファクター(DF)はオリーブとほとんど同じのようです。
なお、ダーク因子とグレー因子を明確に区別した動画や画像をみつけることができませんでした。
もしかすると、上のダーク因子で紹介した動画は、実はグレー因子によるものだという可能性もありますね。
ブルー(Blue)
ここからはブルー系の紹介です。
オキナインコのブルーは、他のインコと同様に「常染色体潜性遺伝(常染色体劣性遺伝)」によって発現します。
オキナインコの最初のブルーは1840年代にベルギーで作出されたそうで、今では世界中のオキナインコの最も一般的な色変わりとして手に入ります。
しかしながら、オキナインコのブルーには実はブルー、ターコイズ、アクアの3つがあるようです。
ここでご紹介するのは一般的なブルーです。
ブルーの遺伝子により黄色の色素が抜けてしまうことで、緑色の羽が青色に変化したものです。
↑またもこんぱまるTVからブルーのご紹介。
パラブルー(ターコイズ、アクア)(Parablue:Turquoise / Aqua)
ブルー以外で青系統に変化した色変わりが、パラブルーです。
ブルーパステルとも言われているようです。
どうやらこのパラブルーにターコイズとアクアが含まれるようなのですが、この辺りが調べても正確にはよくわかりませんでした。
海外のサイトなどをみるとターコイズは出てくるのですがアクアがあまり見当たらず、ターコイズとアクアの遺伝的な違いや色の違いを目視できるものがなかなか見当たりません。同じ遺伝子による色変わりで、色の具合によってターコイズとアクアと分けているのかもしれません。
パラブルーの遺伝子はブルーの遺伝子と比較すると緑色の減色が少なく、ターコイズでは元の緑色の減少は最大20%、アクアでは緑色の減少は50%とのことです。
よって、ブルーに比較すると、青緑色のなんともいえない美しい色になるようです。
↑こちらはまたまた、こんぱまるTVさんからアクアブルーとして紹介されている色変わりオキナですが、これがパラブルーと考えられます。
ブルーオパーリン(Blue Opaline)
ブルーオパーリンはその名の通り、ブルーに対してオパーリンの遺伝子も入ったものです。
オパーリンの遺伝子によりブルーの羽の色が退色するため、明るい水色っぽい美しい羽色になります。
↑ブルーオパーリンの幼鳥。とても美しいやわらかいブルーですね。
パラブルー(ターコイズ、アクア)オパーリン(Parablue:Turquoise / Aqua Opaline)
ブルーのオパーリンが存在するということは、当然パラブルーのオパーリンも存在します。
これはターコイズオパーリンやアクアブルーオパーリンと呼ばれています。
緑がかった青色が退色して明るくなり、こちらもとても美しい羽色です。
↑またもやこんぱまるTVさんからの紹介。なんともいえない美しさですね。
ブルーパリッド(Blue Pallid)
ブルーのオパーリンがいるということは、ブルーのパリッドもいます。
ブルーの遺伝子とパリッドの遺伝子の両方を保持すると、ブルーオパーリンよりもさらに色の薄い水色の羽色になります。
↑ブルーパリッドの幼鳥。さらに色が淡くなりました。
パラブルー(ターコイズ、アクア)パリッド(Parablue:Turquoise / Aqua Pallid)
そして、ブルーのパリッドがいるということは、パラブルーのパリッドもいるということです。
この辺になってくるともうだんだん見分けるのが困難になってきます。
↑こちらはアクアパリッドとして紹介されています。これもまた美しい色ですね。
クリームイノ(Cream Ino)
クリームイノという名前は日本だけなのかもしれません。
ルチノーに比較すると黄色が薄く、クリーム色をしており、イノ因子による発現であることからクリームイノと名づいているのではないかと思います。
不明確なのですが、おそらくパラブルー(ターコイズ、アクア)にルチノーの遺伝子が入ったものがクリームイノになるのではないでしょうか。
↑クリームイノ。薄くて柔らかい黄色です。
アルビノ(Albino)
アルビノは他のインコと同様に真っ白で目が赤い色変わりです。
これも不明確ですが、ブルーにルチノーの遺伝子が入ったものがアルビノになると思われますが、それだけなのか、他の要素が必要なのかよくわかりません。
↑アルビノのゆきちゃん。真っ白なきれいな体で目が赤い。一目見ただけではもうオキナインコだとわかりませんね。
ブルーシナモン(Blue Cinnamon)
ブルーシナモンは、ブルーにシナモンの遺伝子が加わったものです。
ブルーが薄く、灰色がかった感じになるようですが、これもパリッドなどとの見分けが非常に難しいと思います。
↑ブルーシナモンとのことですが、正直よくわかりません。パリッドよりはグレーが多い気はします。
コバルト(Cobalt)
コバルトはブルーに対してダーク因子が1つ入ったものです。
ブルーが灰色がかって、渋みのある色になります。
↑またまたこんぱまるTVさんから、コバルトのオキナインコ。かっこいい。
モーブ(mauve)
モーブはブルーに対してダーク因子が2つ入ったものです。
コバルトよりさらに深くて濃い鼠色ぽい色になります。
明確にモーブだとわかる動画をみつけることができませんでした。↑こちらは海外の動画ですが色合いからするとモーブではないかと思います。
ただし、ダーク因子ではなく、グレーグリーンの欄で前述したグレー因子がブルーに2つ乗ったものの可能性もあり、その判別はもはや不可能です。
クロスオーバー(パリッドオパーリン)(Crossover:Pallid Opaline )スノーホワイト
最後にご紹介するのはクロスオーバーです。
ここまでに紹介したパリッドとオパーリンですが、いずれも性染色体潜性遺伝です。
通常はこの2つの遺伝子は同居しないものですが、クロスオーバーという、まれに発生する遺伝子の交錯により、パリッドとオパーリンの両方の遺伝子を保持するものをクロスオーバーと呼びます。
日本ではパリッドオパーリンと呼ぶことのほうが多いようです。また、スノーホワイトとも呼ばれるようです。
グリーン、ブルー、パラブルー(ターコイズ・アクア)のいずれもがクロスオーバーは発生しうるので、それぞれのクロスオーバーが存在します。
ただし当然、非常にレアな色変わりです。
↑ブリーダーさんのあげた動画です。グリーンのクロスオーバーと、ブルーのクロスオーバーがいます。さらにグリーンのパリッドイノとやらと、ブルーのパリッドイノがいるそうで、正直どれがクロスオーバーなのか私にはわかりません。
それにしても、オパーリン、パリッド、クロスオーバーの見分けがなかなか難しいですよね。海外のサイトでとてもわかりやすい画像をみつけましたので、引用掲載させて頂きます。
引用元:https://abcbirdsales.com/
その他の種類
これまでにご紹介した遺伝の、ここまでに登場していない組み合わせにより、さらに多くの色変わりが存在します。
例えば、オリーブやモーブにもオパーリンやパリッドは組み合わさります。シナモンも組み合わさります。
また、国内、国外のいろいろなサイトを調べた感じでは、ほかにも以下のような色変わりが存在するような情報がありますが、真偽は定かではありません。
- パリッドイノ系
- ファロー
- パイド
- バイオレット
- ホワイトフェイス
- オレンジフェイス
最後に
今回はオキナインコをご紹介しました。
オキナインコといえば、グリーンのイメージしかなかったのですが、調べてみるといつのまにこんなに沢山の色変わりが登場したんだろうと、少し驚いてしまいました。
オキナインコは同じ中型インコのサザナミインコやウロコインコとは違う魅力があります。
特に、人間の言葉をたくさん覚えるというモノマネ上手な点は、ペットとしてはとても魅力的ですね。
カラーも豊富ですので、ご自分の目で実物を見てお気に入りの色変わりを見つけるのも楽しいと思います。
もしもオキナインコをこれからお迎えしようとしている方にとって、この記事が参考になれば幸いです。
そして家族としてお迎えされた場合、もしくはすでに一緒に暮らしているかたは、ぜひとも楽しいオキナライフをお過ごしください(笑)
(次回記事:アキクサインコはこちら↓)
(前回記事:シロハラインコはこちら↓)
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