マメルリハとは
マメルリハは近年、とても人気がでてきたインコです。
10年以上前から時々ペットショップでみかけることはありましたが、原種色の緑色のものがほとんどでした。
それが近年、色変わりがかなり多く出回ってきて、さらに小さくてかわいらしいことから人気が高まっていると思われます。
今回はそのマメルリハについてご紹介いたします。
名前:マメルリハ
和名:豆瑠璃羽
英名:Pacific Parrotlet または Forpus coelestis
分類:オウム目インコ科ルリハインコ属
体長:11~14cm
寿命:10~20年
分布:南米(エクアドル西部、ペルー北西部)
国際自然保護連合(IUCN)が作成したレッドリストによると、野生のマメルリハの保全状況はLC(Least Concern:低懸念)で、生息数は安定しているようです。
↑こちらが野生のマメルリハ
マメルリハの特徴(魅力)
マメルリハの特徴、魅力は大きく分けると以下の3点です。
- 種類が豊富
- 鳴き声が比較的小さい
- 小さいのに長生き
種類が豊富
ここでいう種類は色の種類のことですが、マメルリハの種類は近年すごく増えています。
さまざまな色変わり品種がでてきて、ペットショップにも出回ってきました。
マメルリハはセキセイインコやオカメインコのような複雑な模様はありませんし、コザクラインコやボタンインコのように頭、顔、羽、背中~腰で色が明確に分かれて1つの個体で複数種のカラーをもつということもありません。
しかしながら、体全体がほぼ同一系色で、目の後ろと羽の一部だけがアクセント的に色がちがったりして、シンプルなかわいらしさがあります。
鳴き声が比較的小さい
マメルリハは体が小さいからか、他のインコと比較すると鳴き声が小さいです。
コザクラインコやボタンインコに比べるとかなり小さく、セキセイインコやオカメインコと比較しても小さいようです。
とはいえ、呼び鳴き(飼い主を呼ぶために鳴くこと)や絶好調のときはそれなりに大きいようですので、他のインコを飼育したことのない方は、ご近所の迷惑にならないか注意してください。
インコを飼うことで一番問題になることが多いのが、鳴き声で飼い主以外の人に迷惑をかけることだと思いますので、この鳴き声が小さい特徴は大きなアドバンテージだと思います。
小さいのに長生き
マメルリハは体長が約12cmで、ペットのインコ類では最小なのに、寿命は10年以上です。
飼育下では平均10~15年程度生きるようですが、20年生きる個体もいるらしく、長年一緒に暮らすことができます。
ただし、お値段はノーマルでもまだ20,000円以上はしますし、色変わりだと30,000円~50,000円程度と、サイズの割には高価です。それから、セキセイインコより大食いらしいですね。
マメルリハの種類
マメルリハの種類は大きく分けると以下の4種類の色があります。
- グリーン ※原種
- ブルー
- イエロー
- ホワイト
しかしながら、近年はコザクラインコやボタンインコに負けず劣らず、いろいろな品種が登場していますので、代表的なものを動画とあわせてご紹介します。
ノーマル(Normal Green)
まずは原種色です。
マメルリハの野生種の色は緑色で背中が少し灰色がかっています。
そして、オスは目の後ろに青いラインがあり、風切り羽と腰は紺色です。一方のメスはほぼ全身が緑色で目の後ろに少しだけ青いラインがあります。
(↑)こちらの動画がノーマルカラーのオスとメス。まだペアじゃないっぽいですが…
羊毛フェルト作品
グリーンのマメルリハ単体作品です。
ダークグリーン(Dark green)
ノーマルに対して、ダーク因子が1つ入るとダークグリーンになります。
特徴はその名の通り、羽色がノーマルに比べて濃くて暗い緑色です。
あまり見かけない色だと思います。
(↑)こちらは海外の動画ですがダークグリーンのオスのようです。
オリーブ(Olive)
ノーマルグリーンに対し、ダーク因子が二つ入るとオリーブになります。
特徴は体の緑色がオリーブ色(暗い緑みの黄色)です。
(↑)これも海外の動画ですが、オリーブです。まだかなり若いようです。
ブルー(Blue)
マメルリハでノーマルグリーンの次によくみかけるのがブルーです。
ブルーは常染色体潜性遺伝(常染色体劣性遺伝)です。ブルー因子が発現すると、グリーンから黄色の色素を抜き取るので体がブルーに色変わりします。
よって特徴はもちろん、全身が青っぽい体色になります。
ただし、背中などのグレーっぽい色は残ります。
(↑)こちらがブルー。男の子のようです。
羊毛フェルト作品
ブルーのマメルリハのリースです。
コバルトブルー(Cobalt blue)
ブルーに対してダーク因子が1つ入るとコバルトブルーになります。
特徴はブルーより青い羽色が全体的に濃くなり、翼は美しいコバルトブルーです。
(↑)こちらがコバルトブルー。風切り羽が鮮やかなコバルトブルーですね。
モーブ(Mauve)
ブルーに対してダーク因子が2つ入るとモーブになります。
特徴は青い羽部分が黒灰色っぽい藍色です。
(↑)この中のグレーっぽい色の1羽がモーブです。めったに見かけることがないと思われます。
アメリカンイエロー(American yellow) ※ダイリュート(Dilute)
ノーマルグリーンにダイリュート因子が発現すると、アメリカンイエローと呼ばれる黄色っぽい体になります。
ダイリュート因子とは色を薄くする働きのある因子で、劣勢遺伝です。
グリーンの色から青が薄くなることで黄色っぽくなりますが、黄色系は他にもパステル、ルチノーがあるので見分けが難しいです。
アメリカンイエローの特徴はレモンイエローの体で黒目、オスは風切り羽や腰に紺色が残りますが、メスはほぼ黄色で腰が黄緑色です。
また、アメリカンイエローにダーク因子が入るとダークのアメリカンイエローだったり、オリーブのアメリカンイエローになるのかもしれませんが、このあたりの情報は実物の画像・動画をみつけきれず不明です。
(↑)こちらがアメリカンイエローのペアだと思うのですが、違ってたらごめんなさい。
アメリカンホワイト(American white) ※ダイリュートブルー(Dilute blue)
ブルーにダイリュート因子が発現すると、アメリカンホワイトと呼ばれる薄い水色っぽい体になります。
ブルーがダイリュート因子により色が薄くなったものです。
アメリカンホワイトの特徴は淡い水色の体で黒目、オスは風切り羽や腰に薄い紺色が残りますが、メスはほぼ薄水色で腰が少し濃い水色です。
また、アメリカンホワイトにダーク因子が入ると、コバルトダイリュートやモーブダイリュートという少し青が濃かったり、グレーっぽい水色の種類になるようです。こちらは画像や動画も検索すればみつかります。
(↑)こちらがアメリカンホワイトのコ。おしゃべりしていますね。外で撮影しているからか、少し青色が濃い気もします。コバルトが入っている可能性もあり?
イエローパステル(Yellow Pastel)
さて、このあたりから難解になっていきます。
イエローパステルは別名がいつくかあり、グリーンパステル、ヨーロピアンイエロー、マーブルという名前で呼ばれることもあるようです。
パステルもダイリュートと同様に体色を薄くする因子で、特徴は体色がアメリカンイエローと同様に黄色系で黒目です。
オスは緑がかった黄色、メスはレモンイエローでアメリカンイエローとの見分けが困難です。
また、パステルは翼にスパングル模様が浮かび上がる個体が多いのも特徴のようです。
↑この動画はパステルのオスです。(たぶん・・・違ってたらごめんなさい。)
ブルーパステル(Blue Pastel)
ブルーに対して、パステル因子が発現したものがブルーパステルです。
こちらもイエローパステルと同様に別名がいくつかあり、ヨーロピアンブルー、ブルーマーブルとも呼ばれるそうです。
特徴は体色がアメリカンホワイトと同様に淡い水色で黒目です。オスは腰の羽の色がアメリカンホワイトよりも若干濃く、メスは薄水色でアメリカンホワイトとの見分けが困難です。
パステルはダイリュートに比べると羽の先のグレーが濃く残る個体が多いようで、背中から翼にかけてスパングルっぽい模様が出ていることが多いようです。
(↑)こちらの動画がおそらくパステルのオス。
ルチノー(Lutino)
ノーマルグリーンに対して、イノ因子というメラニン色素をほとんど減色する因子が発現するとルチノーになります。
特徴は鮮やかな黄色の体色、風切り羽は白、目は赤です。
オスメスの見分け方は、ノーマルのオス特有の青い部分が白くなっているものがオスという判断の仕方ができます。(※元が緑色の部分が黄色くなり、青い部分が白くなるイメージ)
(↑)こちらがルチノー。女の子でしょう。
アルビノ(Albino)
ブルーに対してイノ因子が発現したものがアルビノのようです。ブルー因子で緑が消え、イノ因子でブルーが消えて白になるイメージです。
特徴は白い体色、目は赤です。
こちらはオスメスの識別が困難です。
(↑)アルビノのぴーちゃん。おしゃべりがお上手!
パイド(Pied)
パイドは英語で「まだら模様」という意味です。パイド因子により、まだら模様に羽の色が抜けたものをパイドといいます。
特徴は羽の色の一部が色落ちしていることで、色落ちの度合いや模様は個体によってさまざまです。
パイド因子には顕性(優性)のドミナントパイドと、潜性(劣性)のレセッシブパイドの2種類があるそうですが、見た目の区別はつきません。
グリーンの体色ではまだら部分が黄色く色抜けし、ブルーの体色では白く色抜けします。
(↑)こちらは少し古い動画で画質がイマイチなのですが、ノーマルグリーンのパイドとブルーのパイドが登場しています。
ファロー(fallow)
ファロー因子も色を薄くするする因子なのですが、一番の特徴は目が赤くなることです。
特徴は体全体の色が若干薄くて、赤い目をしていることです。
(↑)こちらがノーマルグリーンのファロー。鮮やかなライトグリーンの体と赤い目が印象的。
(↑)一方でこちらはブルーファローのコ。こちらも淡いブルーに赤い目。
ターコイズ(Turquoise)
ターコイズは青い色が不完全に現れる種類で、緑と青が体に現れます。
特徴としては多くの場合は頭が緑で、体が青い色のようですが、体全体が青と緑の混ざったようなターコイズグリーンの個体もいるようです。
なお、日本ではまだほとんど見られない品種のようです。
(↑)こちらがターコイズです。目が赤いほうはファロー因子が入ったターコイズファローだと思われます。
(↑)こちらは雛ですが、ターコイズの特徴がよく出ています。左の2羽はパイドも入っていますね。
その他の種類
マメルリハは近年、新しい品種が増えており、今回ご紹介していない種類がまだあります。
調べたところではマメルリハの種類を構成する遺伝の因子には以下があるようです。(他にもあると思われますが、詳細情報がはっきりせず不明です。)
- グリーン(Green)
- ブルー(Blue)
- ダーク(Dark)
- ダイリュート(Dilute)
- パステル(Pastel)
- イノ(Ino)
- パイド(2種類)(Pied)
- ファロー(fallow)
- ターコイズ(Turquoise)
- シナモン(2種類?)(Cinnamon)
- グレー(2種類?)(Gray)
- ミスティ(Misty)
マメルリハの種類もコザクラインコやボタンインコほどではありませんが、これだけの組み合わせの数の分だけあるのですごい数です。(組み合わせによっては発現しないものもあります)
しかし、めずらしい羽色の品種は価格が高く、ターコイズなどはまだ流通にほとんどのっておらず、日本のペットショップで手に入れることは困難だと思われます。
また、シナモン、グレー、ミスティは、明確な動画をみつけることができませんでした。
最後に
マメルリハにもこんなにたくさんの種類がいるんですね。
とても小さくてかわいらしいマメルリハ、おしゃべりも少しできるしサイズの割にはとても長生き。鳴き声が比較的小さいのもポイントです。
この記事がマメルリハをペットに迎えることをご検討している方の参考になれば幸いです。
また、マメルリハの羊毛フェルト作品が気になる方は、ぜひチェックしてみてください。
ヨウムはこちら↓
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