セキセイインコの種類:アルビノについて
セキセイインコの種類について深堀するシリーズ、第7回目はアルビノです。
セキセイインコはたくさんの小鳥・インコファンの方々から愛されている鳥です。
セキセイインコの種類については既に別の記事でご紹介済みなのですが、その種類一つ一つについて、もう少し細かく調べてまとめたいと思います。
上の記事でご紹介しているように、セキセイインコには非常に多くの種類がいます。代表的なものは以下の通りです。
- ノーマル(Normal)
- オパーリン(Opaline)
- パイド(Pied)
- ハルクイン(Harlequin)
- ルチノー(Lutino)
- アルビノ(Albino)
- レインボー(Rainbow)
- スパングル(Spangle)
- ウイング(Wing)
- ファロー(fallow)
- 羽衣セキセイ
- 梵天セキセイ
- ジャンボセキセイ
今回はアルビノ種についてです。
アルビノは英語では「Albino」と書きます。語源は中世ラテン語で「白」という意味の「albinus」と、同じくラテン語の「-inus」(~の)という接尾辞から来ているようです。「-inus」は名詞の語幹に付いて形容詞を作るとのことで、Albinoは「白い」という意味になります。
また「Ino」というのは「アルビノ」「ルチノー」の要因となる遺伝子の名前です。「albinus」と「Ino」を組み合わせてもアルビノになります。
Albino = albinus + Ino
ということで、アルビノは体色が白色のセキセイインコです。
セキセイインコのアルビノはルチノーよりは少ないですが、ペットショップでみかけることもあるでしょう。
アルビノセキセイの特徴(魅力)
セキセイインコのアルビノ種の特徴・魅力は以下の通りです。
- 雪のような白い体色
- 赤目
- 直射日光に注意
雪のような白い体色
アルビノ種の特徴はやはり雪のような白い体です。全身が真っ白の羽で覆われています。光の加減により非常に淡い青系の光沢が見られます。頬に若干銀色っぽい班があります。
アルビノ種を発現させるイノ(Ino)という遺伝子はメラニン色素を欠如させます。
アルビノ種はブルー系のセキセイインコがイノ遺伝子によりメラニン色素を除外されて、元の青い部分も黒い部分も白くなった種類です。足の色も薄いピンク色になります。
赤目
アルビノ種のもう一つの大きな特徴は目もメラニン色素が欠如して赤目であることです。
赤目といってももちろん完全な赤ではなく、個体差はあるものの葡萄色・濃い赤ワインのような色です。
この赤い目はアルビノ種を見分けるうえでとても大きな特徴です。
実は全身が真っ白のセキセイインコは非常にレアではありますが、アルビノ以外にも2種類存在します。
1つはスパングルのダブルファクター、もうひとつはダークアイドクリアです。この2種はとても珍しいためなかなか存在しないのですが、目の色が黒いためアルビノとは見分けることができます。
なお、アルビノ種は通常はアイリスリングと呼ばれる白目部分があります。ダークアイドクリアはハルクインの一種ですのでアイリスリングがありません。
直射日光に注意
アルビノ種はメラニン色素が欠乏しているため、紫外線から身を守ることが難しいという特徴があります。特に目が直射日光には弱いため、注意が必要です。
実はアルビノ種と同様にメラニン色素が欠乏しているセキセイインコの種類としては他にルチノー、クレミノ(クリームイノ)がありますが、いずれの種類も同様に紫外線に弱いです。
アルビノという種類がセキセイインコだけではなく、様々な動物の突然変異として存在することはご存じの方も多いと思います。もちろん人間でも存在します。
アルビノやルチノーというメラニン色素が欠乏している種類は、共通して紫外線・直射日光に弱いので注意しましょう。
セキセイインコのアルビノ種のカラー
ではアルビノのカラーに関してです。
アルビノは白です。
もしも白だけでなく、尾羽などが薄茶色だったりしたらそれはおそらく汚れているだけの可能性が高いです。
↑雪のような白い羽が美しいアルビノのセキセイインコ。こちらは親子のようです。
これまでご紹介したノーマル、オパーリン、ドミナント・パイド、ハルクイン、クリアフライトでは、グリーン系(緑色系)とブルー系(青色系)のカラーをご紹介していました。
しかしながら、アルビノは白色のみです。
というのも、アルビノはイノ遺伝子を持つブルー系の種類なのです。そしてイノ遺伝子をもつグリーン系の種類がルチノーという全身が黄色の種類になります。
このルチノーとアルビノ、そしてクリームイノは全てイノ遺伝子を持つのでイノ系と呼ばれます。
そして、イノ遺伝子はオパーリンやダーク系の全ての因子をマスク(打ち消す)してしまいますので、ブルー系でイノ遺伝子が発現したアルビノ種が、もし潜在的に他のカラー遺伝子を持っていても基本的に他のカラーは発現しません。
アルビノ・レースウィング
イノ遺伝子は他のカラー遺伝子の特徴を基本的に打ち消してしまいます。
しかし、シナモンカラーのシナモン遺伝子のみはイノ遺伝子からは完全にマスクされずに、淡い茶色または黄褐色の斑点、尾と翼の模様を持つ、レースウィング(Lacewing)といわれる種類になるようです。
↑こちらがアルビノのレースウィング。とても珍しい種類です。日本では滅多にみることができないかもしれません。
セキセイインコ:アルビノの雛(子供)はアルビノ?
セキセイインコのペアリングで産卵した場合、親がアルビノのとき雛の種類はどうなるのでしょうか。
どちらか一方、または両方がアルビノのセキセイインコのペアが産卵した場合、生まれてくる雛はどれくらいの確率でアルビノになるのかを調べてみます。
まず、アルビノという種類は前述したように、イノという遺伝子によって発現します。正確にはイノというmutation(変異)ですが、ここではイノ遺伝子と表しておきます。
イノ遺伝子は性染色体上にある伴性潜性遺伝(伴性劣性遺伝)のためオスとメスで発現に違いがあります。これはオパーリンと同じです。
性染色体は人間では「XY」が男性で「XX」が女性ですが、セキセイインコは鳥類ですので人間と違い「ZZ」がオスで「ZW」がメスになります。このうち、イノの遺伝子は「Z」性染色体上にあります。
セキセイインコの性別と性染色体、イノ遺伝子の効力が発現してアルビノになるかどうかの組み合わせは以下の図のようになります。小文字の「z」がイノ遺伝子を持っている性染色体を表します。メスの場合は1つでアルビノが発現しますが、オスの場合は2つ持っていないとアルビノになりません。

「(SP)」はスピリットのことで、イノ遺伝子を隠し持っているケースです。隠し持っていても発現していないので、見た目だけでは隠し持っていることはわかりません。
なお、この遺伝法則は別記事でまとめているオパーリンと全く同じです。
両親がアルビノの場合
両親がアルビノの場合は、子供(雛)はどのよう確率でアルビノが生まれるのでしょうか。
先に答えを書きますと以下のようになります。
両親がアルビノの場合、雛がアルビノの確率:100%
両親ともにアルビノならば、その子供は必ずアルビノです。

父親だけがアルビノの場合
それでは父親はアルビノ、母親がアルビノではない場合はどうでしょうか。
父親だけがアルビノの場合、
雛がアルビノの確率は50%で、かつ
男の子(♂)は全て(100%)アルビノではない
女の子(♀)は全て(100%)アルビノ
アルビノは伴性遺伝である性染色体潜性遺伝(性染色体劣性遺伝)です。
父親だけがアルビノの場合は男の子は全てアルビノではなく、女の子は全てアルビノになります。

セキセイインコは雛のうちは性別を見分けにくいのですが、この遺伝の法則をあてはめれば雛の毛色で性別が判明できます。父親だけがアルビノのペアから生まれた雛がアルビノであれば、それは100%女の子ということです。
母親だけがアルビノの場合
逆に母親だけがアルビノの場合はどうでしょうか。
母親だけがアルビノの場合、
雛がアルビノの確率は25%で、かつ
男の子(♂)は25%がアルビノ
女の子(♀)は25%がアルビノ
前述した通り、父親だけがアルビノの場合はアルビノの子供は女の子でしか生まれませんが、母親だけがアルビノの場合は、男の子と女の子のアルビノは同確立で生まれます。

両親ともアルビノではない場合
両親ともアルビノではない場合は、子供がアルビノになることはあるのでしょうか。
両親ともアルビノではない場合、
雛がアルビノの確率は:12.5%
男の子(♂)は必ずアルビノではない
女の子(♀)は25%がアルビノ

実際はこのような確率にはならないと思いますが、最もシンプルに考えるとこのような計算になります。
セキセイインコのアルビノはメスが多い理由
これまでの説明の中で示した図を見ていただけると、男の子が生まれるケースは全部で12ありますが、そのうちアルビノになるケースは3つだけです。
一方で女の子が生まれるケースは全部で男の子のケースと同じく12ですが、そのうちアルビノが発現するケースは6つあります。
したがって、遺伝的にアルビノが発現するのはメスのほうがオスの2倍多くなります。
アルビノ種の人気セキセイインコ
それでは、アルビノ種の人気動画をいくつかご紹介します。
他の種類のセキセイほど目立ったものが見当たらないですね。真っ白で影がうすい!?
↑べた慣れアルビノセキセイのピー助ちゃん(女の子)。気持ちよさそうにしてます。光の加減によるとは思いますが目がすごく赤いですね。
↑ぬいぐるみを相手にとってもご機嫌なアルビノセキセイのコハクちゃん。最後のひと言が最高!
↑長年の練習を経て、ついしゃべれるようになったアルビノセキセイのしどちゃん。おめでとう!
↑そして最後にご紹介するのは、二羽の真っ白いセキセイインコですが、一方はアルビノのピノ君、もう一方はアルビノではなくスパングルダブルファクターのはくちゃん。
最後に
今回はセキセイインコの種類のうち、アルビノをご紹介しました。
アルビノの特徴は雪のように真っ白な体と可愛らしい赤いお目目ですね。その可憐な姿で愛嬌にあふれるアルビノセキセイの行動は、眺めていると心がスッキリとしますね。
アルビノは伴性の潜性遺伝(劣性遺伝)で、オスよりもメスのほうがアルビノになる可能性が高いということも特徴の1つです。これはオパーリンも全く同じです。
アルビノは発現すると他の遺伝子の多くを打ち消してしまうのですが、逆に言うとアルビノの親からアルビノ以外の子供が生まれる場合にはどのような子供になるのか推測しにくいということになります。





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