シロハラインコとは
今回はシロハラインコについてご紹介いたします。
シロハラインコはその名の通り、お腹の部分が白い羽毛のインコです。
中型インコではありますが、中型の中では大きい部類です。ユーモアあふれる特徴的な行動からコンパニオンバードとして、とても人気があります。
まずはシロハラインコ属についてのご紹介から。
名前:オウム目インコ科シロハラインコ属
和名:白腹鸚哥
英名:?
分類:オウム目インコ科 Pionites属
体長:約25cm
寿命:25~35年
分布:ブラジル北部、ベネズエラ南部、ギアナ高地
野生のシロハラインコ属は南アメリカ大陸の北部地域に生息しています。主に植物の実を主食にしており、20~30羽の群れで生活しています。
シロハラインコの特徴(魅力)
シロハラインコ属の魅力的な特徴を3点あげると以下です。
- 鮮やかなカラー
- 行動が楽しい
- 人懐っこい
鮮やかなカラー
シロハラインコはいかにも熱帯のインコという感じのトロピカルな美しいカラーです。
緑、黄色、オレンジ、白、黒、青(羽の内側)といった様々な美しい羽根を持っており、眺めているだけでも明るい気分になってしまいます。
行動が楽しい
シロハラインコ属はとても明るく陽気なインコです。
常に楽しく遊んでいるイメージがあり、また、その行動はかなり独特のものがあります。
まず、シロハラインコ属はお腹を上にして寝転がるようなポーズをよく行います。こ
また、両足でピョンピョンと飛び跳ねたり、後ろ向きに歩いたりする鳥もいます。
足を使うのはとても上手で、いろいろなものを片足で持って、足とくちばしで起用に遊びます。片足にオモチャを持ったまま歩きまわったりする鳥もいます。
このようにとても面白い行動をとるので、見ているだけでも飽きずに楽しい気分にさせてくれることでしょう。
人懐っこい
シロハラインコ属はとても人懐っこいインコで、人とのスキンシップを好みます。
先に紹介した寝転がるポーズは鳥類ではめずらしいのですが、シロハラインコ属はこのポーズをとることが多く、人の手の中で寝転がる「にぎころ」も平気で行う個体が多いようです。(もちろん個体差はありますので、慣れ度合いや性格によってはやらない個体もいます。)
おしゃべりはインコ類のなかではあまり得意ではないようですが、短い単語なら話せるようになる個体も結構いるようです。
人懐っこいシロハラインコ属ですが、声はかなり大きく、飼い主を呼ぶときの呼び鳴きなどは非常に甲高い耳に刺さるような声を出しますので、防音対策は必須と言えるでしょう。
シロハラインコの種類
生物学上の種類
シロハラインコ属は4種類に分類されています。
元々はシロハラインコとズグロシロハラインコの2種に分けられていたのですが、最近の研究で前者のシロハラインコは3つの種に分けられるべきと判明したようです。
名称 | 英名 | 学名 | 備考 |
---|---|---|---|
シロハラインコ | Green-thighed parrot | Pionites leucogaster | |
キモモシロハラインコ | Yellow-tailed parrot | Pionites xanthurus | |
(不定) | Black-legged parrot | Pionites xanthomerius | |
ズグロシロハラインコ | Black-headed parrot | Pionites melanocephalus |
ではそれぞれの特徴と動画をご紹介していきます。
Green-thighed parrot(シロハラインコ)
オレンジの頭と白いお腹、緑色の翼、緑色の太ももとピンクの足 が特徴です。
少し前まではシロハラインコの基亜種という位置づけでした。
主にブラジルのアマゾン川の南の地域に生息しています。
国際自然保護連合(IUCN)が作成したレッドリストの保全状況では、絶滅危惧のVU(Vulnerable:危急)に分類されており、減少が心配されています。
なお、この太ももが緑色のシロハラインコはペットとしてはとても珍しいです。
↑こちらは愛鳥写真家「おぴ~@とうもと」さん投稿動画の緑太腿のシロハラインコ基亜種の動画です。
Yellow-tailed parrot(キモモシロハラインコ)
黄色の尾と、黄色の太腿にピンク色の足が特徴です。
少し前までは後述のBlack-legged parrotとまとめてシロハラインコの亜種とされていたようです。
主にブラジル南部のアマゾン地域に生息しています。
保全状況は、LC(Least Concern:低懸念)に分類されています。
↑おそらくこちらがキモモシロハラインコの野生の姿。
※「Pionites leucogaster」とタイトルにありますが、分類が分かれる前の動画です。
Black-legged parrot
たぶん日本でペットとして流通しているのはこの種ではないでしょうか。
緑色の尾、黄色の太ももに黒い足が特徴です。
少し前までは前述のYellow-tailed parrotとまとめてシロハラインコの亜種とされていたようです。
ボリビア、ペルー、ブラジルの一部に生息しています。
保全状況はLC(Least Concern:低懸念)ですが生息数は減少しているようです。
↑こちらが野生のいわゆる一般的なシロハラインコ
Black-headed parrot(ズグロシロハラインコ)
ズグロシロハラインコの特徴はその名のとおり、頭が黒いところです。
お腹は白で、背中側は全体的に緑、首回りと太腿は黄色で黒っぽい足とくちばしをしています。
コロンビア、ベネズエラ、ギアナ、ペルー、ブラジルの一部に生息しています。
保全状況はLC(Least Concern:低懸念)となっています。
↑こちらが野生のズグロシロハラインコ。コロンビアで撮影されたもののようです。
シロハラインコ(グリーンタイツ)
ではここからはペットのシロハラインコをご紹介します。
まずは、ペットとしてはめずらしい緑色の太もものシロハラインコです。
緑色の太ももなのでグリーンタイツと呼ばれます。「Green-thighed parrot」の飼育用繁殖個体でしょう。
緑色の太もものシロハラインコは販売されていること自体がかなりレアだと思われますが、探せばまれにみつかるようです。販売価格帯は70万円前後のようです。(2022年時点)
↑こちらがグリーンタイツのシロハラインコ、キャンディーちゃんです。
シロハラインコ独特の寝転がるポーズで遊びます。羽の光沢がすごくきれいですね。
シロハラインコ(イエロータイツ)
一般的なシロハラインコがこちらです。
先に紹介したグリーンタイツに対して太ももが黄色なのでイエロータイツと書きましたが、通常はそのような呼称はつきません。
40万円前後で販売されているようです。(2022年時点)
シロハラインコを飼っている方は近年多くなっているようですが、それは以降の動画をみれば納得がいくと思います。
↑シロハラインコのYouTube動画といったら、なんといってもこの「わせぉ」ちゃん!
こちらはショートバージョンですが、元動画は400万回以上再生のバズり動画。
この歩き方がもう最高です!
そしてシロハラインコのエンターテイナーとしてもう一羽、絶対に外せないのがこの「マロ」氏。
Twitterの世界でオウム・インコ類を代表するシロハラインコの芸人、いや芸鳥で、多彩な足技を繰り出します。
どこまで行くのよ😳 pic.twitter.com/A9wJAVVc5E
— みるこ (@micchi1919) June 29, 2022
マロ氏2月盛り合わせ pic.twitter.com/tm3N3MPlFf
— みるこ (@micchi1919) March 9, 2022
ズグロシロハラインコ
黒い頭が特徴のズグロシロハラインコ。
シロハラインコよりは少し低い価格帯の20万円前後で販売されているようです。
こちらもシロハラインコに負けず劣らず楽しいインコです。
↑ズグロシロハラインコのラムちゃん、ご機嫌で飛び跳ねるすがたが可愛いですね。
ズグロシロハラインコの色変わり
シロハラインコ属の色変わりは非常に珍しいようですが、海外ではズグロシロハラインコの色変わりが産出されているようです。
まだまだ日本国内流通はしていないようですが、近い将来には日本でもお目にかかることができるようになるかもしれませんね。
しかしながら、これらのハイブリッド種がさらに子孫を残せるのか(繁殖能力の有無)は不明です。
↑こちらの動画はブルーのズグロシロハラインコです。
↑こちらはパーブルーとして紹介されています。こちらのチャンネルには、この色のインコが複数羽登場しています。
最後に
今回はシロハラインコをご紹介しました。
近年、とても人気がでてきたシロハラインコ。ご紹介した動画を観れば、人気の秘密がわかったのではないでしょうか。
個体差がありますので、全てのシロハラインコが「わせぉ」ちゃんや「マロ」氏のようなぶっ飛んだ動作をするわけではないはずですが、明るく陽気なタイプが多いようです。
ただしお値段も一般人には高額ですし、声も大きく齧る力も強いので、お迎えを検討される方は慎重に判断しましょう。そして最後まで責任をもって飼育するようお願いします。
(次の記事:オキナインコはこちら↓)
(前回記事:ホオミドリウロコインコはこちら↓)
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