セキセイインコの種類:オパーリンについて
セキセイインコの種類について深堀するシリーズ、第2回目はオパーリン種です。
セキセイインコはたくさんの小鳥・インコファンの方々から愛されている鳥です。
セキセイインコの種類については既に別の記事でご紹介済みなのですが、前回からその種類一つ一つについて、もう少し細かく調べてまとめたいと思います。
上の記事でご紹介しているように、セキセイインコには非常に多くの種類がいます。代表的なものは以下の通りです。
- ノーマル(Normal)
- オパーリン(Opaline)
- パイド(Pied)
- ハルクイン(Harlequin)
- ルチノー(Lutino)
- アルビノ(Albino)
- レインボー(Rainbow)
- スパングル(Spangle)
- ウイング(Wing)
- ファロー(fallow)
- 羽衣セキセイ
- 梵天セキセイ
- ジャンボセキセイ
今回はオパーリン種についてです。
オパーリンは英語で「真珠光沢のある」という意味です。セキセイインコで、「真珠光沢のある」とはどういうことでしょうか?
それは真珠のように光沢がある羽色が美しい種類ということのようです。
オパーリンはそのシンプルで美しい羽色が特徴であり、ペットとして飼育されているセキセイインコの中の代表的な種類です。
インコにあまり興味のない方はオパーリン種を、いわゆる普通のセキセイインコと思われている人も多数いるようです。
オパーリンセキセイの特徴(魅力)
セキセイインコのオパーリン種の特徴・魅力は以下の通りです。
- 後頭部・背中の縞模様がない
- アイリスリングありで表情豊か
- 入手しやすい
後頭部から背中の縞模様がない
オパーリン種は、ノーマル種でみられる後頭部から背中にかけての黒い縞模様がないことが特徴です。完全になくなってはおらず、うっすらと残っているケースもあります。
後ろからみると、背中の部分がV字型に黒い模様がなくなっています。
また、頭・背中だけでなく全体的に羽毛の黒い色素が減りますので光沢のあるような美しい羽色となります。
黒以外の色素の羽が多くなり、少なくなった黒い模様とのコントラストで美しさを引き立てていると思います。
アイリスリングありで表情豊か
アイリスリングとは白目の部分です。
インコはアイリスリングがない(表面上見えない)種類も多いですが、アイリスリングがあると黒目部分が大きくなったり小さくなったりするので、表情や感情が豊かにみえます。
オパーリン種はノーマル種と同様にアイリスリングがあり、怒っているときや興奮しているときは黒目部分が小さくなります。
入手しやすい
オパーリン種はその美しさから、ノーマル種に比較すると人気のある種類といえます。
また最近では、他の人気のある種類(レインボーなど)もオパーリンの一種であることから、オパーリンの遺伝子を含めようとしたブリーディングが盛んにおこなわれています。
そのため結果的に流通しているセキセイインコはオパーリン種が多くなっています。
したがって、ペットショップでは比較的入手しやすい種となっています。
セキセイインコのオパーリン種のカラー
ではオパーリン種の色(カラー)についてです。
一般的にはオパーリン種もノーマル種のセキセイインコと同様に緑(ライトグリーン)と青(スカイブルー)の2種類が基本です。
羽色をグリーンorブルーにする遺伝子は、オパーリンの遺伝子とは異なるものですので、どちらの色にもオパーリンが組み合わさります。
セキセイインコ:グリーンオパーリン
原種色であるライトグリーンにオパーリンが発現したものが、グリーンオパーリンです。
鮮やかで光沢のあるライトグリーンの姿が特徴です。
↑こちらがグリーンオパーリン。とても美しい色です。
セキセイインコ:ブルーオパーリン
グリーンに対して潜性遺伝であるブルーの色のセキセイインコですが、こちらもオパーリン種が存在しています。
オパーリンの遺伝については後述しますが、ブルーの遺伝子を2つもつことで青い羽色が発現したものに対して、オパーリンの遺伝子も発現するとブルーオパーリンになります。
↑こちらの動画ではブルーオパーリンの親子が登場しています。
最初のほうで下に映っているのが子供でブルーのブーちゃん、スカイブルーオパーリンです。
両親は色が少し違って濃くなっています。
父親はダーク因子が1つ入ったコバルトブルーオパーリンのようですが、父親と母親で少し色が異なります。
両親ともコバルトで父親のほうにはバイオレットの因子も入ってるのかもしれませんが、よくわかりません。もしかすると母親はコバルトではなく通常のライトブルーで色が濃い目なだけかもしれません。
この辺りは私(管理人)にはちょっと区別がつきません。
セキセイインコ:その他のオパーリン
グリーンオパーリン、ブルーオパーリンを紹介しましたが、実はオパーリン種にはもっと非常に沢山の種類があります。
人気のあるレインボー種もオパーリンの一種です。
セキセイインコには様々なカラーを作り出す遺伝子が数多く存在し、オパーリン遺伝子もそのうちの1つに該当しますが、他の遺伝子と組み合わさることで様々なオパーリン種が存在するのです。
セキセイインコ:オパーリンの雛(子供)はオパーリン?
上の動画ではオパーリンの親子が登場していましたが、セキセイインコのペアリングで産卵した場合、親がオパーリンのとき雛はどうなるのでしょうか。
どちらか一方、または両方がオパーリンのセキセイインコのペアが産卵した場合、生まれてくる雛はどれくらいの確率でオパーリンになるのかを調べてみます。
まず、オパーリンという種類の遺伝に関してですが、オパーリンの遺伝子は性染色体上にある伴性潜性遺伝(伴性劣性遺伝)のためオスとメスで発現に違いがあります。
性染色体は人間では「XY」が男性で「XX」が女性ですが、セキセイインコは鳥類ですので人間と違い「ZZ」がオスで「ZW」がメスになります。このうち、オパーリンの遺伝子は「Z」性染色体上にあります。
セキセイインコの性別と性染色体、オパーリンになるかどうかの組み合わせは以下の図のようになります。小文字の「z」がオパーリンの遺伝子を持っている性染色体を表します。メスの場合は1つでオパーリンが発現しますが、オスの場合は2つ持っていないとオパーリンになりません。

「(SP)」はスピリットのことで、オパーリン遺伝子を隠し持っているケースです。
両親がオパーリンの場合
両親がオパーリンの場合は、子供(雛)はどのよう確率でオパーリンが生まれるのでしょうか。
先に答えを書きますと以下のようになります。
両親がオパーリンの場合、雛がオパーリンの確率:100%
両親ともにオパーリンならば、その子供は必ずオパーリンです。

父親だけがオパーリンの場合
それでは父親はオパーリン、母親がオパーリンではない場合はどうでしょうか。
父親だけがオパーリンの場合、
雛がオパーリンの確率は50%で、かつ
男の子(♂)は全て(100%)オパーリンではない
女の子(♀)は全て(100%)オパーリン
オパーリンは伴性遺伝である性染色体潜性遺伝(性染色体劣性遺伝)です。
父親だけがオパーリンの場合は男の子は全てオパーリンではなく、女の子は全てオパーリンになります。

セキセイインコは雛のうちは性別を見分けにくいのですが、この遺伝の法則をあてはめれば雛の毛の模様で性別が判明できます。父親だけがオパーリンのペアから生まれた雛がオパーリンであれば、それは100%女の子ということです。
母親だけがオパーリンの場合
逆に母親だけがオパーリンの場合はどうでしょうか。
答えです。
母親だけがオパーリンの場合、
雛がオパーリンの確率は25%で、かつ
男の子(♂)は25%がオパーリン
女の子(♀)は25%がオパーリン
前述した通り、父親だけがオパーリンの場合はオパーリンの子供は女の子でしか生まれませんが、母親だけがオパーリンの場合は、男の子と女の子のオパーリンは同確立で生まれます。

両親ともオパーリンではない場合
両親ともオパーリンではない場合は、子供がオパーリンになることはあるのでしょうか。
答えです。
両親ともオパーリンではない場合、
雛がオパーリンの確率は:12.5%
男の子(♂)は必ずオパーリンではない
女の子(♀)は25%がオパーリン

実際はこのような確率にはならないと思いますが、最もシンプルに考えるとこのような計算になります。
セキセイインコのオパーリンはメスが多い?
これまでの説明の中で示した図を見ていただけると、男の子が生まれるケースは全部で12ありますが、そのうちオパーリンが発現するケースは3つだけです。
一方で女の子が生まれるケースは全部で同じく12ですが、そのうちオパーリンが発現するケースは6つあります。
したがって、遺伝的にオパーリンが発現するのはメスのほうが多というわけです。
オパーリン種の人気セキセイインコ
それでは、オパーリン種の人気動画をいくつかご紹介します。
↑再生数400万オーバーを誇る、文句をたらたらいうインコのポコちゃん。
ブルーオパーリン種ですね。バイオレットが入っているようにも見えます。
↑こちらは300万再生オーバーのショート動画。こちらもブルーオパーリン。
セキセイインコで仰向けに寝るのはかなりレアだと思うのですが、こんな特技まで(;’∀’)
↑インコ界隈ではとても有名なセキセイインコのうめちゃん。
こちらもブルーオパーリン種。
うめちゃんの人気動画は多数ありますので、「ぴんふ」さんのチャンネルへどうぞ。
↑ブルーが多かったのでグリーンも。ほんとみんなおしゃべり上手。
最後に
今回はセキセイインコの種類のうち、オパーリンをご紹介しました。
オパーリンの特徴はシンプルなセキセイインコらしい美しいですね。
そして、オパーリンは伴性遺伝であることから、オパーリンはメスのほうが生まれやすいということも特徴の1つです。
次回はルチノーをご紹介する予定です。
■お詫び
母親だけがオパーリンの場合の子供がオパーリンになる確率に間違いがありました。
大変申し訳ございません。2023年11月27日に修正しました。
もしも間違いを見つけた場合にはご連絡お願いします。
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